09/15 剱岳 早月尾根 日帰り登山 2003 

今日はかなり暴挙に出ました。(笑)

ここ2週間ほど外で飲む機会がかなりありまして、ものすごーく腹が出てきたことに
危機感を感じて何とかしてこの腹を引っ込めようと。(笑)
脂肪を燃やすためには長時間の有酸素運動をしないといけないんですが、
自転車で走るかなぁ・・・それとも歩きか、あるいはマラソンでもするか・・・
んで夕べふと思いついたのが
「そうやっ登山すれば何時間も動き続ける、これなら痩せられるかも」
ってなわけで9/14の夜に急遽本屋さんへ行って「剣・立山」の登山用の地図を
購入、私登山の経験が全然ないド素人なのでネットでいろいろ検索して
剣岳登山のレポートが書いてあるページを見て勉強。

ふむふむ、日帰り剣岳登山ね、朝5:30から登り始めると、んで降りてくるのが夕方
5:30・・・ゲゲ(゜_゜;) 12時間も山歩くの〜!!
地図と一緒に入っているガイドブックを見たら、この早月尾根コース、入口から
山頂までの標高差が2200メートルあって、日本の登山道でもトップクラスの
高低差だとか・・・初めて行って登れるんだろうか・・・
まぁ腹を引っ込めるためならこれくらい頑張らんとって思って目覚まし時計を
午前4:00にセットして寝ました。

んで翌朝目が覚めて時計を見ると・・・(゜ロ゜)ギョェ 5:45!!
セットしたつもりの目覚ましがセットされてなかったぁ (ToT)ダー
あわてて荷物をまとめて家を出たのが6時、登山道入口に着いたのが7時。
「まいったなぁ、予定よりも1時間半も遅れてしまった、このまま登ったら
 降りてくるのが夜7時かぁ、真っ暗やなぁ・・・」
 まぁ行けるところまででも行こう」

ってことで しゅっぱーつ


上市町の馬場島と言うところにキャンプ場が
ありまして、そこの奥が剣岳登山口になってます。
剣岳へアプローチする方法は何通りかあるの
ですが、ここは早月尾根コースの入口
ここの標高はだいたい760メートル



登山道の入口に石碑が立ってます。
剣岳は標高2998メートルもある高山で、
頂上を制するにはそれなりの困難もありますよ〜
ってな感じです。
この画像でだいたい字読めるかな?



登り始めると変わった伸び方をした杉の木が
ありました。仕事で山へはよく入りますが、
こんなややこしい形状の杉の木は初めて。


登山道の登り口の標高が750m、1000mの地点から先は200mごとに
標高を示す標識が立っています。登山なんてしたことない私は、標高
1400mあたりですでに足が超ヘビーに。(*_*) でもこんなところで
降りるわけには行かないのであとはひたすら根性で。
標高2200mのところに、登山者の宿泊用の早月小屋と言う山小屋が
建っているので時間がなさそうなら今日はそこで折り返すかなぁ
なんて思いながら登ってました。

すると前方から登山者が1人降りてきました。30代後半くらいの女性。
すれ違う人にはみんな「こんにちは」って挨拶するんですが、
その女性に
ROOKIE:「ここから山頂までどれくらいかかりますかねぇ。」
下山者:「今からじゃぁ大変だから、早月小屋に泊まって明日山頂を
      目指したほうがいいよ」

ROOKIE:「いや、明日仕事なんでどうしても今日中に降りなければ・・・」
下山者:「それは厳しいよ〜、やめときな〜 上の方は鎖場とか
      あって今からじゃキツイよ〜」

ROOKIE:「んじゃ、早月小屋で折り返します。」

ま、とりあえず行けるところまで行くとしよう。
だめやったら早月小屋まで行ってそこから引き返してくればいいし。


続いてすれ違った登山者
下山者2:「この時間でここらへんにいるってことは今日は下から
       上がってきたんやね」

ROOKIE:「はい、んで今日また降りる予定です。」
下山者2:「ええっ 日帰りっ??」
ROOKIE:「はい、そうですけど」
下山者2:「すごいなぁ まぁ、頑張って・・・」



どうやら寝坊した上に早月尾根コースから日帰りで剣岳山頂を目指す
のはかなり無理があるらしい・・・
何も知らずにやってきた私のあさはかさ・・・(笑)



標高200mごとに看板があって、それを見ながら
登ってくるんですが、このたった200m登るのが
結構きつくて、すごーく長く感じられます。
ここいらまで来るとだんだん高山らしくなって
きたかなぁ・・・
早月小屋まであと1.0kmって書いてあるけど、
これがまた長いんだなぁ・・・
ま、気楽な1人登山やし、気合いと根性で
行きましょう。(笑)



写真右手の建物が標高2200mにある早月小屋。
どうやら早月尾根コースで剣岳山頂を目指す人は
ここで泊まって1泊2日の行程で行くのが普通
らしい。


登り始めたのがちょうど7時、んでこの早月小屋に着いたのが10:20。
ここから山頂までまだ標高にして800mあるんでここでゆっくり休んで
折り返すかなぁなんて思いながら小屋の中を覗いてみました。
そしたら管理人さんが玄関にいて

ROOKIE:「今から山頂へ行って明るいうちに馬場島まで降りられます
       かねぇ。」

管理人:「いやぁ、今日中に下まで降りる人達には普通は9時までに
      ここを出発して山頂へ向かってもらうことになってるんです」

ROOKIE:「ここまで3時間20分で来たんですけど無理ですかねぇ?」
管理人:「あんた懐中電灯持ってる?」
ROOKIE:「はい、あります」
管理人:「あんた若いし、もしかしたら日没間に合わんかもしらんけど
      大丈夫やわ、行っといで」

ROOKIE「行ってきまーす。」

麓からほとんど休みなしで登ってきたのでほんとはここの小屋で
15分くらい休もうと思ってたんですが、言葉につられて
「行ってきまーす」なんて言ってしまったもんでそのまま歩き始める
はめに・・・(ToT)ダー 
まぁ、早く行ったほうが少しでも明るい時間帯に降りられるし。
ってなわけで、無謀にも今日中に家に帰らなければならないのに
山頂を目指すことになりました。(笑)
ま、管理人さんの言葉でかなり希望が持てました。



ここは標高2700mあたりか。
森林限界を超えているので大きな木はなくなり、
草木が多少、そして岩がごろごろするように
なります。
ここいらからとっても歩きにくくなるわけで。



立山・剣一帯は日本でも一番かと思うくらいの豪雪地帯です。
真冬だと10メートル以上積もるようで。
雪と氷に浸食されて、山の上の方はとても険しい岩ばかり。
ここまで来ると、空気が薄いせいか、あるいは疲れているせいか、
まっすぐ歩いていても頭がクラクラすることがしばしばあって・・・
道幅1メートルもないようなところで左右どちらを見ても足が震える
くらいの急斜面で、適度の休憩をして意識をしっかり持って登らないと
かなり危険な目に遭いそう。



標高2800mあたりだったか。
2000mを越えたあたりから、雲の中に入って
しまったのかずーっと霧であまり景色が
見えませんでした。
これは一瞬ちらっと霧が晴れた時。
空気がとってもキレイなのか、空の色もものすごく
真っ青で吸い込まれそうなくらいキレイな空でした。




写真の鎖を伝って登っていくんですが、足を
滑らせて右側に落ちようもんならまずあの世
行きかしら・・・

写真以外にも早月小屋より上のほうでは
馬の背みたいに細くなっていて左右どちらに
落ちても谷底へまっさかまさみたいなところも。
子供には絶対に来させたくないと思いました。



ようやく山頂に着きました。2998m
到着したのが13:10。
麓から6時間以上も歩きっぱなし。
このページを見ているみなさんは2分くらいで
ここまでたどり着いたでしょうけど。(笑)

6時間よ6時間っ!! めっちゃ遠いっちゅうねん。
後ろの祠には賽銭箱が置いてありまして、
下山の無事を祈ってお賽銭を捧げてきました。
ちなみに道中は携帯電話が通じませんが
山頂付近のみ通じます。



同じく山頂での写真。
ここまでくればもうすっかり雲の上。
今まで自力で登ったことがある山の最高が
鹿児島県の開聞岳(標高922m)
自転車でなら熊本県の阿蘇山(1540m)
今回の剣岳は2998mで私の人生の中で
最高峰の記録更新。

ちなみに車でなら富士山五合目(2200m)など
行ったことがあります。



登りがけの標高1400mあたりでもう足がものすごーく重たくなっていた
のにあとは気合いと根性だけで山頂へ、んで登ったってことは同じ
だけ降りてこないと行けないわけで・・・
無事に下山するまで足が持つだろうか。下りは足腰にかなりキツイです。



フラフラになりながらなんとか早月小屋まで
戻ってきました。山頂から800m降りてきた。
ここで午後3:30くらいだったんで明日も休み
なら泊まって行きたいくらいでしたが、
そういうワケにもいかないんでヨレヨレの体に
ムチ打って下山することに。


この早月小屋、今日泊まる予定の人、また私と同じく降りる人など
何名かおりまして、少しだけお話しました。

管理人さんの話によると、今日早月尾根から剣岳山頂へ行った人は
50人ほどで、そのうち日帰りで行ったのは私を入れて4人だと。
早月尾根コースは富士山を一番下から登る人を除けば日本の登山
ルートでは最も高低差の激しい(2200m差)ルートだそうで、登山者は
ほとんどがこの早月小屋に泊まって行くそうです。
登山慣れしている人達の間でも、馬場島から早月尾根
コースで剣岳山頂まで日帰りで行けたら健脚を名乗ってもいいそうで。
私も健脚を名乗ってもいいですか?(笑)



もうとにかく下山するしかないのでフラフラに
なりながら降りてきました。
登る時よりは楽かもしれませんが、高低差
2200mも歩いたことがないので足が棒どころか
鉛のかたまりのよう。
膝が壊れそうだったので後ろ向きにあるいたり
してました。(*_*)
麓に着いたのは18:20でした。



今朝家を出る時にうちの嫁に
「今日の1日で2kg痩せてくるわ」って言ってたんですが、家に帰って計ってみると
きっちり2kg痩せてました。(笑)

いや〜 ほんまよぅ歩いた。往復で16.6km、標高差が2248m。
朝寝坊したせいであわてていたので途中の休憩はほとんどとらず、
お茶飲むのに所々1分くらい休んだくらいかしら・・・
山頂にも15分ほどしかおらずにすぐに下山したし。
11時間20分も歩きっぱなしなんて今後もうないかなぁ。(笑)
高校時代に自転車に乗って長距離を走っていたのを思い出しました。
誰かに頼まれてやっているわけではなくて自分の意志でやっていること。
だからどんなにしんどくても耐えられるんかもしれません。
今晩はよく眠れそう。\(~o~)/ふあぁぁ

マジメな話、今日は好天に恵まれて、適度に雲があったせいでとても涼しく、
おかげで素人にもかかわらず、ただ根性だけで登山できたわけで、前日は
天候が悪く、なんと山頂付近で1人落石に遭って骨折、その場で一晩明かし、
私が登り始めた今朝早くにヘリで救助されたそうです。Y(>_<、)Y ヒェェ!
明日の新聞に載るかしら・・・
今まで何人もの人が事故でなくなっている剣岳、今度登ることがあればもっと
低い山で練習して足腰を鍛え、装備も万全の体制で登りたいと思いました。
今回の持ち物は下に書いてありますが、持っていけばよかったなぁって思った
ものが下着の着替え。気温は麓でも肌寒いくらいでしたが、登り始めると
すぐに汗びっしょりでしぼれるほどに。私はほとんど休みなく往復ともに歩き
続けていたので寒い思いはしませんでしたが、せめてTシャツだけでも着替えが
あれば、帰りでもかなり快適になったと思いました。

早月尾根コースで剣岳登山に興味がある方は、メールフォームから
ご質問どうぞ。(^^)


今回の行程
06:00 自宅出発 砺波インターから立山インターまで高速利用
07:00 馬場島より登山スタート
10:20 早月小屋到着(休憩なし)
13:10 剣岳山頂到着 (15分ほどですぐに下山)
15:15 早月小屋到着(15分休憩)
18:15 馬場島着
19:40 自宅到着 立山インターから砺波インターまで高速利用


持ち物 デイバッグ、登山用地図、携帯電話(山頂付近のみ通じます)
懐中電灯、ライター、革手袋、アーミーナイフ、防寒着2着、
タオル、飲料水1.5リットル
(飲料水については下山途中の早月小屋でさらに1リットル購入)
おにぎり、パン、カロリーメイト
ROOKIEより 地図は持っていったほうがいいですが、登山道は完全な一本道
なので迷わず山頂まで行けます。

道の状況ですが、途中両手を使って登るようなところもあり、上部
へ行くと岩場や鎖場があるので手袋は必須です。私のお薦めは
手のひら側が革で、手の甲の側が布地でできている作業用の
革手袋。岩に手をかけるときもしっかり掴めます。

日帰りで行く人は、足に自身があっても念のために懐中電灯を
持って行きましょう。早朝出発でなんのトラブルもなく往復しても
帰りは夕方になります。

参考までに、私は防寒着を持っていきましたが、天候がよくて
なおかつ長時間の休憩をしないのであれば、往復ともにずっと
Tシャツ1枚で十分過ごせます。(着替えはあった方がよい)
ただ、いくら天候がよさそうでも防寒着は絶対に持って
行きましょう。
落石に遭ったり、足をひねって捻挫したりする可能性も結構
あります。夕方にトラブルに遭った場合はヘリの救援は翌朝まで
待たなければなりません。ビバークするのにTシャツ1枚では
助かるものも助かりませんから・・・


以下の記録はすべて早月尾根ルート日帰りです
2005年09月の剱岳登山
2007年10月の剱岳登山
2009年09月の剱岳登山
2010年10月の剱岳登山←大きな画像がたくさんあります


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