21. パース 〜 アルバニー
Perth 〜 Albany


再び一人旅


 パースを出発しての初日はさすがに寂しかった。もともと一人旅だったが、これまで1ヶ月以上もの間

ずーっと仲間と一緒に走っていたせいか・・・

しかしそれもすぐに慣れるもんでノンビリ気楽に行くのもいいもんだなぁなんて。

これまでのルートは広大なオーストラリアってイメージが強いところを走っていたけど、これから

エスペランスまではほとんど海沿いを走るせいか、これまでよりはずっと細かい間隔で町がある。

(それでも北海道よりはまだまだローカルだが)

人口1000人〜5000人くらいの町が多いのだろうか、どの町も商店や銀行などは町の中心部に

集まっていてオシャレな店が多い。

内陸部のほうだと、自然が厳しくて生きていくのに必死だって雰囲気が漂う集落が多かったけど、

このあたりでは生活物資以外のアンティーク小物やガラス細工、その他心を満たすための物も

売られている

もちろんパースにいたころは巨大都市なのでなんでもあったが、これまでの田舎町とは違って

パース以南の小さな町では人間の豊かさを感じられる、なんというかうまく言葉では言い表せないが

心が満たされるものがあった。

湖畔のキャラバンパークパースを出て初日に泊まったキャラバンパーク
久しぶりにテント生活がスタートした。

夏だというのもあって他にもたくさん人がいて
パース以北のキャラバンパークとはかなり
雰囲気が違う。
湖には水鳥が泳いでいてのどかな風景。











見所いっぱい

 パースからアルバニー、そしてエスペランスまでの間はけっこうたくさんの観光箇所がある。

さすがに日本にまではその名前は知られていないが、パースに住む人々が1泊や2泊などで遊びに

行ける範囲なので週末になるとにぎわう所も。

アルバニーの海再びルーキー号。
サイドカウルに赤い文字で「ルーキー」と、そして
メーターカバーには「落語」とでっかく書いて
あります。
キャラバンパークに荷物を全部おろして
身軽になって町を散策。

バックはアルバニーの海。
とっても濃い青色でまるで絵の具で描いたよう。









木登り

 最初に行った観光名所はペンバートンと言うところにある世界一高い登ることができる木でその

高さ60メートル。各地からの観光客で結構人も集まっていた。

登り口には「心臓の弱い方、高所恐怖症な方、自己の責任において登るように」と書いてある。

縄バシゴのような物や、ステップが木に取り付けてあって順番を待って2人ずつほど登り、その人達が

降りてきたらまた次の人が登るって感じで。今なら仕事柄 高いところなど余裕綽々で

まかせなさーいってところやけど、当時は高所に慣れているってわけでもなく結構怖かった。

頂上には山火事見張りようの小屋が乗っかっていて、ご丁寧に登頂記念のスタンプまで。

予想外だったのが次の日足が筋肉痛になったこと。階段と違ってほぼ垂直に上がって行くには

かなり足の筋力がいるようで・・・



森の観光列車

 ペンバートンにはトラムウェイと言う鉄道が走っている。鉄道と言っても地域の足として利用されて

いるのではなく、完全な観光用。1日1往復しかなく、乗車駅まで往復する。

あまり情報を得ずにたまたま見つけたこの鉄道。ペンパートンではなく、32キロ先のノースクリフと

言う町でこの鉄道のことを知って駅へ行ってみた。うまい具合にちょうど列車がいて今からなら

乗ることができる。

しかーし、この列車はペンバートンからノースクリフへ来て、またペンバートンに帰っておしまい。

ってことはここ、ノースクリフから乗ったら帰ってこられなくなる。「うーん おしいなぁ乗りたいけどなぁ、

でも32キロも歩いて帰ってくるわけにもいかんしなぁ・・・」
 なんて思ってたら列車の運転手さんが

「俺がノースクリフまで車で送ってやるよ」 

オーストラリアの人はほんっと人なつっこくてやさしい人が多い。これまでにも何度お世話に

なったことか。列車の発車時刻が近づくと乗客が駅に集まってきた。その中のカップルでいた

若い女性が声をかけてくる。

「キミは日本人? どこへ行くの?」

自分もそこそこ英語は話せたので会話が弾む、そして列車に乗る直前に突然

「じゃぁ行きましょうか」 と流暢な 日本語!! 

日本での滞在経験もあってもうかなりペラペラだった。なーんだ話せるんやったら言うてくれよ〜 

て思ったが向こうは してやったり〜 と笑みを浮かべていた。 (笑)

その女性、彼氏が日本人で2人で旅をしているとのこと。 自分がバイクをノースクリフに置いて

あるので運転士さんにまた送ってもらうってことを話すと

「じゃぁ私たちが送っていってあげるよ」 と。 俺って恵まれてるなぁ・・・

運転士さんにはお礼を言って、そのカップルに送ってもらって結局その日はノースクリフへ戻った

ところで一緒にキャラバンパークに泊まった。



小さなトラムウェイノースクリフ駅で。
小さい列車が1両、途中で合流して2両で
ペンバートンへ向かう。

窓ガラスはなく、ビニールシートだった。










森を散策観光列車なので途中2カ所、森の中で停車して
散策させてもらえる。

川の上に駅があってちょっと降りていくとすぐに
川辺に。

服装を見てもわかるようにかなり涼しい、というか
寒いくらいだった。
季節は夏だが、緯度がかなり南のためか。

オーストラリアってほんと広い国だと思う。
暑いとこやら寒いとこやら・・・









 32キロの行程のうち、ほとんどが森林の中を走る。パース以北は海沿いと言ってもあまり緑の

イメージはなかったけど、パースから南へくると緑豊かな森林がどこまでも広がっている。

森と人間の共存がとても上手にできているよう。

列車が踏み切りの前で停車したのでどうしたのかと思ったら、運転士さんが降りて踏切のスイッチを

入れに行っていた。そして通り過ぎたらまた停車してスイッチを切って。

なんてのどかな鉄道だろう。


2両つながりました 上の写真の位置から見たところ。
写真左の端の列車の向こう側にごく小さな
乗降場がある。

1両目のお客さんが降りた後、列車が少しだけ
動いて次に2両目のお客さんに降りてもらう。
(降りずに乗ったままの人もいたけど)

散策できる時間は10分とか運転士さんが言う
てたけど、時間になっても帰ってこない人も。
「おーい 発車するぞ〜!!」



のどかなところでしょ ペンバートン駅。
とても古い駅のように見えて、まるで
西部劇に出てくる駅のよう。

1日1往復しか列車が走らなくてもちゃんと
駅員さんはいました。





 ペンバートン駅到着後、先のカップルの車に乗せてもらいノースクリフへと向かっていった。

夕方になったのでノースクリフのキャラバンパークで一緒に泊まることに。

次はアルバニー〜カルグーリー2、かわいい動物アルパカがでてきますよ。 お楽しみに。


ツーリング写真館もどうぞご覧ください

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