熱帯雨林気候
カカドゥはダーウィンから東へ約200qのところにある地名で、カカドゥ国立公園としてオーストラリアでは
有名である。この国立公園は世界一面積の広い国立公園らしい。熱帯雨林気候でジャングルと
言うイメージがぴったり。
普通はダーウィンから東へまっすぐこの公園へ行くのだが、僕はキャサリン
(上の地図のダーウィンを一つの頂点とする小さな▽の下側の角)
から北東方向へ入っていった。熱帯雨林と言うだけあって暑さはハンパじゃない。
今までの内陸部では乾燥していて陰に入るとそれなりには涼しかったが、カカドゥでは湿度も高い。
カカドゥ国立公園内にあるクーインダというところのC.P.で泊まることにした。

何百qも離れた町から食料を輸送してきて
いるため、生鮮食料品は冷凍保存されている
ものが多い。
牛乳を飲もうと買ってきたらなんとカチンコチン。
しかたがないのでパックを破り、
箸で削って食べていた。
右に写っているのはニュージーランドも
まわってきたと言うライダーATSUさん。
カカドゥ一番の見所と言えばソルトウォータークロコダイルが見られること。
どう猛で時には人を襲うこともあるという大型のワニである。さすがのワニも日中の暑さではあまり
動かないらしいんで、早朝、6:45に出るイエローウォーターという川のツアーに参加してみた。

水中から顔を出したクロコダイル。
獲物を狙う目はするどい。

少しだけアップで。
背中がまるでヤスリのよう。ワニの背中で
大根おろしでもしてみたいなぁ。(笑)
ハンドバッグも思い浮かべたりして・・・
それぞれの旅
イエローウォーターのツアーは朝のうちに終わったんで、次の目的地へ向けて走り出す。
有名な観光地でしかも広大な面積の中に道が数えるほどしかないので、
以前会ったことがあるライダーにも何人か出くわした。
前回のキャサリン渓谷で一緒にカヌーを楽しんだトモちゃんもその1人。
女の子1人でバイクで旅をしているんだからなかなかのツワモノ。
1人が2人、3人とグループになり、そしてまた2人、1人と減っていく。みんな気ままに自分の旅を
進めていく。途中アボリジニの壁画があるという遊歩道に行ったが、あまりにもの暑さにへばって
しまってあきらめた。この日は休憩とおしゃべりに時間を割いたんで、あまり走らずにサウスアリゲーター
というC.P.で泊まることにする。ここではシバタさんというライダーと一緒に過ごすことになった。
久しぶりの卵が・・・
今回のC.P. 久々に卵料理を食べようと、キャンプ場内にある売店で6個パックの卵を
買ってきた、まだ夕食には早かったんで一杯飲んでこようとシバタさんと2人してキャンプ場の
酒場でビールを飲む、これがまたウマイんだ。
バーの天井には扇風機がカラカラと回っていたが、温度計を見るとなんと38℃。
あっという間にグラスが空になる。
ホッと一息ついてテントに戻ってみたらさっき買ってきたばかりの卵が中身だけなくなっている、
もしや泥棒にやられたか!! と一瞬頭をよぎったが、まわりを見渡してみて犯人がすぐにわかった。
それはカラス。くちばしから黄色いものがたれている。あぁなんたること・・・(ToT)ダー
何日かぶりで食べられるはずだった卵料理、オムレツにしようか炒り卵にしようか・・・などと
楽しみにしていたのに・・・ もう怒り爆発
(▼、▼メ)メラメラ クラッカーをまいてカラスを
おびき寄せ、何羽も集まってきたところにスパナを投げつけてみる、がしかしカラスのほうが
すばしっこいようだ、何回もやってみたけど結局一度もカラスにあたることがなかった。あぁむなしい・・・
いつかの借りは・・・
キャンプ生活というのは原始的といえばそうかもしれない。基本的に灯りがないんで日が暮れて
からの行動はあまりなく、早寝早起きがごく自然な生活サイクルになる。
翌朝いつも通りに朝食を食べ、荷物をパッキングして朝9:00頃に2人してC.P.を出発した。
が しかし、キャンプ場を出て100メートルも走るかどうかという時になんとシバタさんのバイクの
チェーンが切れてしまったのだ。キャンプ場に近かったのが不幸中の幸い、そのままバイクを
押してキャンプ場に戻る。2人して修理をいろいろ試みたがしばらくして結論がでた。
「やっぱダメですね、俺ダーウィンまで行って買って来ますわ。」
ダーウィンまではそこから210q、ちょっと行って来るという距離ではない。普通なら申し訳なくて
遠慮しそうな距離だが、日本の常識が通用しない大陸の僻地。誰がどう考えてもそれ以外の
策はない。ここで遠慮はいらない、みんなそうやって助けあっているから。
ダーウィンまで1人バイクを走らせながらふと思い出した。ケープヨークの帰り、自分も似たような
トラブルを起こしてその時の相棒のナンチャンに180qも先の町まで部品を買いに行ってもらったことを。
相手こそ違うがこないだの借りはここで返せる、そう思った。
ダーウィンの町は大きい、といっても日本の小さな町程度だが。
バイク屋は幹線国道沿いにあり、すぐに見つかった。驚いたのはそこに一昨日別れたトモ
ちゃんがいた。事情を話してまたすぐにシバタさんの待つC.P.へ向かって走り出す。
単調で居眠りしそうな時間がどれだけ続いただろう、夕方に無事にC.P.にたどり着きシバタ
さんのバイクにはピカピカのチェーンが装着された。
「ROOKIEさん、ビールおごりますよ。」とシバタさん。 ありがたくいただきます。
ノンビリしていたのもつかの間、今度は自分のバイクのリアタイヤがパンクしているではないか、
これまた幸いなことに、C.P.に戻ってくる寸前にパンクしたらしい、ビールを飲み干すまで
パンクしていることに気がつかなかった。
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ダーウィンまで一気に往復してきた後での
パンク修理。さすがに疲れた。
左の赤いバイクがシバタさんのバイク。
スズキGSX400E
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