どこへ行っても岩だらけ
エアーズロックからアリススプリングスに向かう途中に150qほど寄り道すると
キングスキャニオンと言う渓谷がある。オーストラリアで渓谷なんてガイドブックにはほとんど
載っていないのでガンバって行ってみることにした。
途中ロードハウスで休憩して、走り出してしばらくするとおかしいなと思うようになった。
西へ向いて走っているはずなのにどうも太陽の方向がおかしい。
あぁなんというオオボケ、休憩後に来た道をそのまま戻って走っていたのだ。
周囲になんにもないただの平原、それにしてもやはり疲れていたのか。
午後3:30にキングスキャニオン到着、遊歩道を歩いてまわると全部で3時間とか。
日が暮れたらかなりやばいなぁと思いながらも歩きだしてみた。
ちょっと小走りにまわったせいか、2時間ほどでコースをまわり終えてキャンプ場に戻ってきた。
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キングスキャニオンでのヒトコマ
目もくらむような光景だった。
数年前、1人の日本人の旅人がここで
遭難し、九死に一生をえたとあるノートに
書いてあった。
なんせ人間の気配がないところなのだ。 |
2000年オリンピック
翌日の午後、アリスの町へ戻ってきてあとは単車の整備。
C.P.に早々にテントを張って落ち着き、買い物も済ませてノンビリしていると
オージーの子供達がボール遊びをしている。キャンプ場と言ってもキャンピングカーを
据え置きにしてそこに住み着き、そこから学校に通っているような子供達も何人かいた。
遊んでいたボールが木にひっかかって落ちてこず、子供達が困っていたので
バイクのブーツを投げ、ボールにぶつけて落としてやった。
それからしばらくして、1人で夕食の支度をしていると先ほどの子供達の親がやってきて
「さっきはどうもありがとう、お礼に食事でも一緒にどうですか?」 っていうんで
ありがたくお呼ばれすることに。キャンピングカーと言ってももう何年もそこに住んでいる
ようでテレビや冷蔵庫他なんでもそろっている。日本ではこんなんナイやろうなぁなんて思う。
みんなで一緒にテレビを見ていたのだが、家族の目が釘付けになっていたので何を
やってるのかと一緒に見ていたら、2000年のオリンピックの開催地がシドニーか北京かの
発表の瞬間。(当時は1993年)
「2000年のオリンピック開催地は・・・・・・・シドニーです!!」 って決まった瞬間に
もうキャンプ場中が大騒ぎ。\(^o^)/ワーイ
オージー達は祭りが好きでほんっとにキャンプ場にいた
全員が抱き合って喜ぶほど。感情の表現が豊やなぁ。その瞬間を見ることが出来た僕も
ラッキーって感じやったか。そして今この文章を書いている今年が2000年、
オリンピックの中継を見ながらアリスのキャンプ場を思い出していた。
だんだんと水の気配が
スチュアートハイウェイは南北に真っ直ぐ延びている国道。北上を続けていくと砂漠気候から
少しずつ水の気配を感じるようになる。アリスを出てしばらくした頃、3台のバイクとすれ違った。
お互いに100q/hほどで走っているのでほんとに一瞬のすれ違いだが、バイク慣れしているので
すぐにわかった。ケアンズで一緒にバーベキューをした、NOBUさん、MAKOさん、ヒロの3人組み。
後で聞いた話やけど、むこうもROOKIEだってわかったらしい。お互いまったく反対の方向に
向かって走っていたのだが、この数週間後、一緒に走ることになる。
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デビルスマーブルス。
この石一つで何十トンもあるのだ。
その昔火山の噴火で吹き飛ばされてきたらしい。
おそるべし自然の力。
(左写真) |
桃から生まれた桃太郎をイメージして。
地面にカメラを置いてセルフタイマー。
(右写真) |
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温泉と渓谷
スチュアートハイウェイを北上し続ける。アリスから1200qほど来たか。
ここにマタランカホットスプリングスと言うオーストラリアでは珍しい温泉が湧いている。
結構有名どころのようで、リゾート施設があり多くの人で賑わっていた。
前にも書いたけど、オーストラリアの温泉ってのは日本のように風呂って感覚ではなく、
プールに入るような感じ。だからもちろんみんな水着を着て入るしとってもオープンなのだ。
日本のように見知らぬもの同士が同じところですっぽんぽんになってるってのは、世界中の中でも
なかなか珍しいほうだと思う。
ここで兵庫県から来ていると言う高校生のグループがあって、仲良くなっていくうちに
落語をやってよって言われて久々にイスの上に正座して一席やった。
お題は 「阿弥陀池」 15分くらいのネタか。僕のバイクにはヘッドライトの上にでっかく
「落語」って文字がはりつけてあってそれがトレードマーク。結構役に立つもんで・・・
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これが有名なマタランカホットスパ。
ほんとにプールみたいでしょ。
けっこういろんな国の人がいました。
真ん中でこっちをむいてるのが私。 |
そこからさらに北上をつづけると100qほどで今度はキャサリン渓谷と言う、
そこいらでは有名な観光地にたどり着く。ハイウェイからはちょっとはずれているが、それでも
たいした距離でもないか。 行ってみることにした。
もうここまでくると砂漠ってイメージはまったくない。キャサリン渓谷には豊富な水がある。
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カヌーを借りてみんなで渓谷めぐりをしよう。
左からドイツ人チャリダーのブレンさん、
コージ君、
トモちゃん。彼女もライダーだ。
(左写真) |
カヌーから飛び込んで思いっきり泳いでみた。
こんなにたっぷり水があって泳げるなんて
ケープヨーク以来かも。
隣にいるのはトモちゃん。水泳部出身で
人魚のように泳いでいた。
(右写真) |
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アリスからずっと1人で走ってきたが、このキャサリン渓谷のキャラバンパークには日本人
ライダーがいた。上の写真で麦わら帽子をかぶっているのがコージ君。あだ名は
センチメンタルコージくん。・・・(笑)
そして女性ライダーのトモちゃん。一番左にいるのがドイツ人チャリダーのブレンさん。
なんと彼は100q前に寄ったマタランカホットスパでさっきまで僕と一緒に入っていたのに、
100qの距離を猛スピードで自転車で走ってきて僕らが遊んでいるところに突然現れたのだ。
なんともすごい体力の持ち主。
トモちゃん、コージ君達とはここで別れたが、この後また何回も会うこととなる。
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