内陸へ
9/13日、たくさんの思い出を後にケアンズを出発。8/24にケアンズに到着したのだから
3週間そこをベースキャンプにしていたことになる。次の大きな町は1700q先のアリススプリングス。
シドニーからずっと海岸線を走ってきたけど、今日からいよいよ内陸部へ突入だ。
最初の休憩はマウントガーネット、内陸部に入るとたいした山でもなくても「マウント○○」なんて
地名が多いみたいだ。ここのキャラバンパークで昼飯を食べていたら、またエミューが現れた。
僕が持っているパンを狙っているようで、「おまえにはやらんぞ」とパンを持って逃げてもずっと
追っかけてくる。もちろんかけっこしたら圧倒的にエミューの方が早い。どこまで行ってもラチがあかず
困っていたら、隣で休んでいた老夫婦がタオルをバサバサっとやって追い払ってくれた。
それをきっかけにその老夫婦と話しだしたらガーネットを拾い集めているとのこと。
マウントガーネットと言うだけあって、5oほどの粒のものならそこらへんにいっぱいころがっているとか。
ほんまかいな?? と思ってちょっとあたりを歩いてみたらほんとにガーネットがちらばっている。
拾ってくればよかったかな・・・。
初めての温泉
オーストラリアは火山の多い日本と違って、温泉の湧いているところはほとんどない。
今日の通り道に数少ないうちの一つの温泉があるのでちょっと寄ってみることにした。
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プールではなくて天然温泉。
珍しいけど、すっごいへんぴなとこで
あんまり人はいなかった。
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国道にホットスプリングスの看板が出ていてそこを曲がってしばらく行くとそれらしき建物が現れた。
普通温泉っていうとハダカで入るのが当たり前やけど、同じ湯船にハダカのもの同士が入ると
いうのはここでは一般的ではなく、温泉でも水着を着て入る。今まで当たり前のように思ってた
ことでも、世界中の国を思ったら日本のように他人同士でもすっぽんぽんで温泉に入るほうが
珍しいのかもしれない。
オージーのファミリーが一組いて、旅の者同士すぐに会話が弾む。やっぱこの国の人は人なつっこい
人ばっかりやなあ。小学生くらいの子供が日本語を勉強しているらしくて、親にすすめられてここで
勉強の成果を見せることとなった。
「コンニチハ ワタシノ ナマエハ ダニエルデス。」
なかなか上手で誉めてあげるととってもうれしそう。子供がかわいいのは世界共通やなぁ。
一人旅だとやっぱりサビシイもんで、家族的な暖かさにふれると心がほのぼのしてきた。
「お互い良い経験になったよね。」 と子供と握手をして別れた。
2人の探検家
ガルフロードと呼ばれる道を西へむかう。東海岸と違って延々と何もない荒れた大地が続く。
このホームページの名前になっている OUTBACK だ。 OUTBACKとは日本語でうまく
言い表せる言葉が僕には見つからないが、簡単に言うと不毛の大地。
今日走り初めて500q、キリのいいところでロードハウスが有るので 「今日はここまでやな」
そこには 「バーク & ウィルズ」 と言う看板が掲げてあった。
名前の由来を記す説明文があったんで一息いれながら読んでみたら、その昔オーストラリアが
未開の地だったころの2人の探検家の名前だとか。移動手段はラクダで水と食料を積んでの
想像を絶する厳しい行程だった。今バイクで走っても、何百qかにポツンとロードハウスが有る以外は
まさに不毛の大地。そのロードハウスも、地図すらなかった時代にラクダでの移動とは。
人間ってなんてすごいんだろう。
悲しいかな、2人のうちの一人は探検途中に志し半ばにして息を引き取ったのである。
その2人の探検家をたたえて出来たのがこのロードハウス、しみじみと当時を思いながらテントに
入った。
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そろそろお昼時、ここらで飯にするか。
太陽の下で一人パンを食べる。
でもやっぱり一人で食べるのはサビシイなぁ。
手前にあるのが帝王のイス。ライダーから
ライダーへと受け継がれて来て僕で3人目。
奥のほうに点々と見えるのはアリ塚。 |
鉱山の町
ケアンズを出て3日目、マウントアイザと言う町に着いた。クイーンズランド州からアリススプリングスに
向かうならばたいていはここを通るはずである。
ここは銀、銅、亜鉛などを採掘している世界一の鉱山町で人口は
27000人。 町中のあちこちに
ばかでかい煙突が立ち、もくもくと真っ黒な煙を上げている。OUTBACKのまっただ中にポツンと
ある町なので、公害なんてなさそう。雰囲気的には町中の人が鉱山関係者かと思うくらい。
久しぶりの町らしい町で心が躍った。
日本の金属の輸入は第一位がオーストラリアのはず、こういう町が日本の産業を支えているんやろうなぁ。
ここで不安な問題が起こる、というかこの一つ前の町からあったのだが走行中にエンジンから異音が
するようになった。ケアンズを出た時にはなかったものである。とりあえずバイクは走るけど、
どう考えてもおかしい、このままでは絶対どっかで大きなトラブルにつながる!! とイヤな予感がした。
思いきって道ばたでタンクをはずし、エンジンの様子を見る。とりあえずタペット調整をしてみた。
「時間がかかるようやったらこの町で泊まっていってもいいや」 そんな気持ちで調整した後
走りだしてみると ビンゴーー!! 異音がなくなったやんか。
安堵感につつまれながら時計を見ると時は14時すぎ、泊まるには早いのでまだ先へ進むことにした。
ケアンズ 〜 アリススプリングス 2 へ続く
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