08. ケアンズ 〜 アリススプリングス 2

Cairns 〜 Alicesprings2) 

鉱山の町 マウント アイザ から続く


荒野の牧場

マウントアイザからアリススプリングスに向かう場合、普通は西にまっすぐ進み、スチュアート

ハイウェイから南下するのがほとんどの人のコースだと思うが、地図を見ると一見距離が近そうな

道が載っている。プレンティハイウェイだ。ハイウェイと言っても、ほとんどが未舗装の道。

オーストラリアのハイウェイは日本とは違う。

多少ハードなのは予想できたが、プレンティハイウェイを目指すことにした。 

入口の町の名前はユランダンジ。 地図には載っているが、これがなかなか見つからない、

道に迷ったか。 うろうろしていると突然牛の大群の中に入ってしまった。

ハイウェイの入口と言っても、たいして整備されているわけでもなく、ただの農道かわからないほど。

アウトバックの牧場は囲いなんてまったくない。風車で汲み上げる井戸がポツンとあって、乾ききった

大地で放し飼いの牛たちは水を求めて必然的にその周りに集まる。

迷い続け、日が沈みかけてきた。 「あぁ〜 今日はここでブッシュキャンプかぁ

すぐそばに町が有るはずやねんけどなぁ。」
 とあきらめかけたころうっすらと灯りが・・・

おおぉっ これぞまさに”ホテルカリフォルニア” って気分。

すっかり日が暮れていたので、そこでテントを張ることにした。




ライダーの軌跡

そこの集落は人口100人ほどか、それでも地図に載っているところがすごい。

しかも縮尺250万分の1で。

アボリジニ(原住民)の集落で一軒のバーがあったので、今日の疲れを癒すのにビールを頼んだ。

そこには一冊の落書き帳のようなものがあったので、ふとのぞいてみるとびっくり、

一週間前に日本人ライダーがここを通っているではないか。しかも渡航前からの知り合いである

ヤマさんの名前が!! 4人グループで来ていたようだったが、まさかこんな僻地に自分以外の

ライダー、しかも知り合いが来ていたとは。 「もうちょっとで会えたかもなぁ」と思った。


ひとり寂しく・・・

ユランダンジのバーの横の庭を貸してもらった。

内陸部のせいかかなり涼しい。

ドラム缶の上にカメラを置いてシャッターを切る。

満天の星空・・・今頃みんなどうしているんかな。






OUT BACK

いよいよ、プレンティハイウェイへ突入である。700qの道のりのうち600qが未舗装。

まっ ケープヨークを経験した後だから多少のことは大丈夫だろう。

ジリジリと照りつける太陽、真っ赤に焼けた赤土。果てしなく広がる荒野、

見渡す限りの地平線。これぞまさに OUTBACK だ。

生命の存在を疑うほどの荒れた大地。

乾燥大陸を実感できる。

まったく変化のないこの景色が延々と600qも

続いた。
アリスの町は遠い・・・

プレンティハイウェイはベリーグッドなコンディションで、ケープヨークとは大違い。

川渡りも、コルゲーションもプルダストもないほんとにフラットなダートだった。

時速100qでコンスタントに走ることができ、イッキに走り抜け、スチュアートハイウェイに出た。

これでしばらくは舗装道路だ。




ロードトレイン

鉄道が発達していないオーストラリアで、物流の主役はロードトレインだと言うことは

聞いて知っていたが、ここでついに本物と出くわした。

これで全長50mほどか。長いやつだと70mある。
前と後ろに "road train 50m long danger"
とか書いてあってちょっと怖いかも。
全車両真っ赤に塗ったコカコーラや緑と黄色の
ツートンが
きれいなBPのやつは見てても鮮やか。
写真がなくて残念。

ユランダンジから700q、ようやくスチュアートハイウェイに出てちょっと休憩していたら、

ロードトレインも近くに止まってタイヤを点検していた。路面温度も非常に熱いので、バーストした

タイヤがそこらじゅうに散らばってたりする。

そりゃあ、タイヤ100本もあるようなトラックやから、バーストもするわな。

でもこんなのが120q/hとかで走ってるんだから、バイクにとっては抜く時も抜かれる時も、また

すれ違う時もドキドキもん。風圧で吹っ飛ばされそう。




オアシス

赤茶けた大地の真ん中にポツンと有る町がアリススプリングス。よくぞこの砂漠の真ん中に

ここまで町が開けたもんだと感心する。

1871年 オーストラリア大陸に通信線を張る為に来ていた測量士が、原住民に教えてもらった泉を、

妻の名前をとってアリスの泉と名付けたのが由来。

地球のヘソとして有名なエアーズロックの拠点でもある (それでも470qも離れている)

バイク屋もホンダとカワサキの2つのショップがあって、久しぶりの町らしい町。ケアンズ以来か。

不思議なことに、小さな町にしてはかなり大きいスーパーマーケットがあって24時間営業していた。


砂漠に開ける町アリススプリングス。
アンザックヒルからの夜景。


アウトバックを走っていると、こういう人間の
ニオイが恋しくなる。


次はいよいよエアーズロック

ツーリング写真館もどうぞご覧ください

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