05. ケープヨーク 3

(Cape York 3)


雨期と乾期

川や水たまりを渡ったりして濡れたバイクも服も、炎天下の中ではあっという間に乾いてしまう。

ここらは気候区分でいうと熱帯雨林なので緑は多い、でも雨期と乾期がハッキリしているせいか

年中雨が多いわけではないので大木と言えるような木はない。

地図で見ると、このケープヨークに行く道中には何十本もの川があると記されているけど、

乾期のせいか、もともと水量の豊富なうちの何本かだけが水をたたえている。

また一つのポイントに来た。

水面までは2mほどだが水量が多く、さすがに
バイクを転落させると再起不能かも。
丸太をきれいに並べ変えて、ナンチャンと2人
がかりで押して渡ったけど、緊張しまくりだった。




クロコダイル

映画でクロコダイルダンディーというのがあったのをご存じだろうか。オーストラリア北部には

ワニが生息していて、海水と淡水で違った種類のクロコダイルがいる。

そのうちどう猛で人間をも襲ったりすることがあるのが海水の「ソルトウォータークロコダイル」

トップにだいぶ近づいてきた所にジャーダインリバーという川がある。

ここは川幅30mほどあるような大きな川で、有料の渡し船があった。しかし渡し賃が

バイクで$15。めっちゃ高い。ケープヨークに行ってきた人の話を聞くとここを押して渡った

強者もいた。水深は深くて腰までほどらしい。

さあここでナンチャンと思案のしどころ。貧乏旅行の僕らに撮って$15は大金。でもこの川を

押して渡るのはそれもまた大変。そこで橋の係員の一言で決まった。

「ここはクロコダイルがいるからねえ」

もちろん商売っけを出して言ったのかもしれないが、川と言ってもすぐそこは海。もしものこと

があったら・・・

その数ヶ月後、シドニーの新聞でこんな記事を見た。

「クイーンズランド州北部、ケープヨーク近くのジャーダインリバーで水遊びをしていた

 アボリジニの親子がクロコダイルに襲われ死亡。」

あの$15は決して高いものではなかった・・・・ 




ついにトップへ

ジャーダインリバーを越え約40q、アーチャーリバーから400q、陽も傾いて来た頃バマガに到着。

ケープヨークまではまだ30qほどあるが、岬にはなんにもないのでここが岬への拠点になる、

つまりベースキャンプ。

家や電柱や走っている車を見ると久しぶりに人間の気配がするところに来たような気がする。

燃料を補給し、セイジアのキャラバンパークでテントを張った。そこにはトップを目指すライダー達が

他にも4人いて、お互いにここまでの健闘をたたえてみんなで乾杯!! 

翌朝2人は帰途につき、残りの4人で一緒に岬へ向かう。

この2人、一人は「モンガーさとみ」と言う女の子。セローにビッグタンクをつけて旅していた。

もう一人は世界54カ国(やったか)をバイクで旅してきたという「マサ」さん。

あとで知ったことだが、2人ともその世界では超有名人だった。


オーストラリア最北端に立つ。
   
看板の文
   You are standing at the
    northmost point of Australian
    continent.

 
(左写真)
左からマサさん、もんがぁ〜さん、
ナンチャン、ROOKIE。
ビールでカンパーイ。

眼下に広がるインド洋はとてもきれいで、
その景色は今でもはっきりと覚えている。

            
(右写真)

          帰りもまた1000km 走らなければ・・・ CAPE YORK 4 に続く


ツーリング写真館もどうぞご覧ください

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