最後の補給基地
3日目、ひたすら北上をつづける。午前中にマスグレイブというところのロードハウスに着き
休憩するが、舗装もしてないただの空き地かと思ったら、なんと給油機の前が滑走路になっていた。
緊急用だろうけど。
バイクでのツーリング中は飲料水はペットボトルで携帯するのでちょっと走ったらすぐに熱くなって
しまう、そんな中冷たい飲み物が手に入るロードハウスはまさにオアシスと呼べる。
コーエン、アーチャーリバーと進んで来たがこのアーチャーリバーを最後に残りの400qは
トップまで食料もペトロも補給できるところがない。
ここまではだいたい100qおきくらいに、ロードハウスがあった。それでも炎天下の荒れた道を
走っていると100qがとても長く感じられる。しかし次は400q。
ペトロは満タン、バイクの消耗品もオーライ、食料もなんとかなるだろう。
気を引き締めてアーチャーリバーを後にした。
道を間違えて
アーチャーリバーまではロードトレインと呼ばれる超大型のトレーラーがやってくる、つまり道は
悪くてもそんな車が走れるってこと。でもこの先は生活道路ではなく僕達のような旅の
者しか通らない。道の荒れたところがだんだん増えてきた。
暑さと疲労で頭がボーっとしていたのか、ここへきてまたハプニング。
僕は右に曲がる分岐点があるところをそのまま直進して行ったのだが、例によって
未舗装路では前車が巻き上げた砂埃をエアクリーナーが吸わないように車間距離をかなり
長くとっているため僕の遙か後方を走っていたナンチャンはここで迷った。
「ROOKIEはどっちに行ったんやろう? もしかしてまっすぐ行ったんじゃないか・・・」
北に向かって走っているはずやのに太陽の方向がなんかおかしいなぁ。そう思いだした僕は
まさかとは思いつつナンチャンが来るのを待ってみたけど10分経っても20分経っても現れない。
もちろん他の交通なんて一切ないので道を尋ねることもできない。
不安がだんだんと膨らんできた。ナンチャンもしかして事故ったんか、それとも道を間違えたか?
戻ること35q、ナンチャンが向こうから走ってきた。やはり僕が道を間違えていたのだ。
本当は右に分岐する細い道を進んで行かなければならなかった。貴重なペトロを70q分も余計に
使ってしまい大きな不安材料となった。
ブッシュキャンプ
まだ陽は高いと言うのに僕は身も心もボロボロ。ロードコンディションの悪いところでしばしば転倒
するようになった。走行中ならどうもないところでも一旦泊まると足が短いせいかバイクを支える気力も
ない。いわゆる立ちゴケってやつである。そしてまた起こすのに体力を使う。
ウェンロックリバーが現れ、川渡りを終えたところでナンチャンに言った。
「ナンチャン、もうあかんわ 今日はここで終わろう」
川縁で水が豊富にあるところは久々なので風呂の替わりに川に使って汚れ落とし、疲れを癒す。
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ウェンロックリバーでのキャンプ
憔悴しきった顔(よくわからんけど)
カレーの缶詰に人参 タマネギ ジャガイモを
追加してご飯大盛り。 |
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巨大なアリ塚。ここまで作るのにいったい何年かかるのだろう |
なんでもありのOLD ROAD
今日はウワサに聞いたOLD ROADへ突入の予定である。さあこれからどうなることやら。
ウェンロックリバーから42qで分岐点に着いた。
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ここが地獄の一丁目
右がNEW ROAD 左がOLD ROADである。
もちろんNEWのほうが楽に走れる。
だがしかしCAPE YORKを目指すライダーは
ほとんどが ここでOLDを選択するのでは
ないだろうか。 |
OLDに入ってから40qほど走ったところで早速本日一つ目の難関、ガンショットリバー。
パッと見て最初に思ったのは 「(゜ロ゜)ギョェ こんなん道ちゃうで、走れるか〜」
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走るというよりも落ちるという感じ。
これでも一番楽なラインを選んでいるのだが。
ここを降りきったらすぐに川があり、続けて
そこを渡らなければならない。
バイクで逆向きにここを通過するのは
不可能なので、帰りはニューロードを
通ると言うのが定番だった。
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まだ午前中のせいか、体力にも余裕があったので時間はかかったものの難なくクリアー。
ライダーは僕らだけだったが、4輪でトップを目指す旅人達もここで数台立ち往生していた。
ケープヨークを目指す車は特別仕様で吸気と排気口が屋根よりも高いところに付いている。
川を渡る時に水没してしまわないようにだ。オフロードバイクのマフラーが高いところに
付いているのもこのためか。
続いて現れたクリーク。なかなか深そう。
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道中にはこんな所がいくつもある。
いちいちブーツや服をを脱いでられない
のでそのまま歩いて深さをチェック。
一番浅いラインを探す。
水の深さにあきれかえってもう笑って
ごまかすしかなかった。
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バイクで水の中を走るというのは想像以上に大変である。大雨や台風で冠水した道路を車で
走ったことがあればわかると思うが、10センチの深さがあるだけでもかなりの抵抗を受ける。
上の写真をみるとどう見ても40〜50センチ。おまけに底がどういう状況か見えないのでさらに
危険度は増す。でもここまで来て引き返すわけにも行かないのであとは前進あるのみ。
乾期のまっただ中に来てこれやから雨期なんて話にならないだろう。
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スタンディングポジションでなんとか
のりきろうと必死に頑張る。
渡り終えた直後にプラグがショートしてエンスト
危うく水没するところだった。
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ついにトップエンドへ。ケープヨーク3へ続く
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