01.シドニー 〜 ケアンズ
   (Sydney 〜 Cairns)


出 発

8月9日、いよいよ一周をめざして出発。国道1号線を北へ向かう。この国道1号線は

世界一長い国道らしい。

シドニーはオーストラリアで一番の大都会だけに、立体交差や自動車専用道などがあって

道は複雑だ。でも目指す方向は北、走る道も1号線ということでなんなく市街地を

ぬけることができた。

ちょっと街を出ると、道路の両脇に平原や森林が広がるという風景が延々と続く。「やっぱ北海道とは

スケールが違うなあ」
などと思いながら走っていたが、東海岸は開けているほうでその後比べ物に

ならないくらいの荒野を走ることになろうとは思いもしなかった。

初日をなんの問題もなく無事走り終えたが、まだこれからの希望よりも不安のほうが大きい。


記念すべき第一日目のキャラバンパーク

冬と言うのもあって他には客はいなかった。



サーファーズパラダイズ

2日目、オーストラリア最東端のバイロンベイに寄って、夕方にサーファーズパラダイスに到着。

ゴールドコーストとして知られる日本でも名の知れた観光地だ。シドニーの学校で一緒だった

友達がここで働いていたので連絡を取って5日間も泊めてもらった。ここで24歳の誕生日を迎える。

ビーチがとってもキレイで日本では絶対見られないような真っ青な空と、まばゆいばかりの

真っ白な砂浜。気持ちよく2時間ほどビーチで寝ていたらもう全身オオヤケド状態。

オーストラリアってものすごく紫外線が強いのだ。次の日、街を歩いてもみんなにじろじろ

見られるほど顔が赤紫色になっててもう痛いのなんのって。

街は日本人観光客が圧倒的に多く、メインストリートのお土産やさんにはワーホリの若い

アルバイターがどの店にもいて呼び込みをしていた。

一周してみて思ったことだが、ゴールドコーストが一番物価が安かった。ガソリンもお土産も。

ブリスベンのマウントクーサから見た夜景

ブリスベンはクイーンズランド州の州都で
オーストラリアでこれだけの夜景が見える
大都市は数えるほどしかない。

ブリスベンを出てロードハウス (ガソリンスタンド) でペトロを入れてるといきなりガシャンと言う音が

してバイクが倒れた。サイドスタンドの付け根が折れたようだ。もーーうめっちゃ最悪、「スタンド無かっ

たらバイク止める時いっつもどっかに寄りかからせんとあかんやんけ〜」
 店員さんにどっか近くに

溶接してもらえるところがないか聞くと、10分ほど行くとあるとのことでそこへ直行。

夕方なんでシャッターが閉まりかけてたけど、快くなおしてくれた、しかもタダ うれしかったっす。




ホエールウォッチング

サーファーズを出発し、さらに北上を続ける。途中ハービーベイと言うところでホエールウォッチングに

参加。$42と高かったけど、クジラって泳いでるのを見たことがないんでまあいっか。

船の方からは300m以内に近寄っては行けない決まりだがクジラのほうから近寄ってきてくれた。

仰向けになってみたり、ジャンプしてみたりしっかりパフォーマンスしてくれて

 「クジラって頭ええんやろうなあ,さすがホ乳類」 なんて考えたり。

広い海原を自由自在に優雅に泳ぎ回るクジラを見て、今度生まれ変わる時は絶対クジラや!!

って思った。今でもそう思ってる。

ホエールウォッチングの船から見た鯨。
鯨が見えるかどうかは運次第。

ほんとは船のすぐそばまで来てくれたのだが、
乗客が一斉に片側に集まって船が傾き、
写真を撮る余裕がなかった。



南回帰線

オーストラリアにはロックハンプトンと言う町に南回帰線が通っている。英語で言うと

 "Toropic of Capricorn"

緯度的に見ると、沖縄よりもずっと暖かいところになるんで冬といっても昼間はTシャツで十分。

真北へ向いて毎日300〜500qほど北上していってるんで、日に日に気候が暖かくなっていくのが

感じられる。亜寒帯から熱帯まであんねんからやっぱ広い国や。

ここのキャラバンパークで初めてツーリングライダーと出会った、しかも日本人。シドニーを出て

10日目のことだった。一人旅って走ってる時は気楽でいいけど、夕食の時から寝るまでの間は

めっちゃ寂しい。いっつも月を見ながら 「日本では今頃みんなどうしてるかなぁ」 って思う日々

やったけど、初めてライダーに会った嬉しさでその日の夜は酒を飲みながらいっぱい語り合った。

南回帰線を示す標識。
オーストラリアを南北に走る主な道路は
東海岸の国道1号線、真ん中を縦断する
スチュアートハイウェイ、そして西海岸の
国道1号線と3カ所ある。
それぞれに南回帰線を示す標識が立っている。

これは東海岸のロックハンプトンと言うところで
撮った写真。




戦争の跡

ケアンズから350qほど南にタウンズビルと言う町がある。結構大きな町だけど、どこが見所

かなぁと地球の歩き方を見ていたら、次のページにあったマグネティック島のページが目に入った。

フェリーで20分と近いので、バイクを港に置いて荷物を担いでマグネティック島に渡る。

山のハイキングコースを歩いて頂上付近に行くと、砦のようなものがあった。看板の説明文を

読むと、第二次世界大戦中に日本の戦艦が攻めて来るのを迎え撃つためのものだったらしい。

「こんなところまで日本軍は攻めて来とったんやなあ。」としみじみ思う。恥ずかしながら、

これを見るまで日本とオーストラリアが戦争してたなんて、考えたことなかった。

バックパッカーズで一泊して翌日にまたタウンズビルにフェリーで戻る。一番心配やったバイクは

どうやら無事のようでよかった。

しかーーし、走り出してみてびっくり なんとフロントブレーキが利かない。もう夕方やったんで

キャラバンパークに泊まり翌朝バイク屋に行って修理を頼んだ。

僕のバイクは購入時点ですでに60,000qを越えていたので、ここへ来てあちこちボロが出てきた

ようだ。バイク屋では前後ベアリング交換、フロントチューブ交換、スポークが足りないので追加、

キャリパーのオーバーホールと修理費なんと$210!! 痛い出費やった。

まあこれで当分は大丈夫やろう、と気分を一新して出発。途中もう一泊して8/24に

ケアンズに着いた。

マグネティック島の砲台跡

ここで迫り来る日本軍を迎え撃った。

機銃掃射のための砦もあり、

当時の影を残す。


次は楽しい仲間がいっぱいの街、ケアンズです。お楽しみに

ツーリング写真館もどうぞご覧ください。

用 語 解 説
キャラバンパーク (C.P) キャンプ場。アウトドアを楽しむ日本と違って、街の中にあったり
ただの空き地にあったりと、ちょっとした集落にはたいていある。
ツーリングではほとんどこれに泊まることになる。
ロードハウス ガソリンスタンドのことだが、延々と何もないところを走ってくる
旅人にとっては重要な休憩アンド補給ポイントで、文房具や衣類、
ファーストフードやビールまで売っていたりする。
ライダーにとってはまさにオアシス。



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