いい旅チャレンジ20000km
2003/2/18up

  鉄道をマニア的に利用して全国を旅していたのはだいたい12歳〜15歳くらいまで。

マニア的にと言うのは「○○線」と言う線区、たとえば東海道線とか山手線とかそういう線区を

乗りつぶすのが目的だから、よほど時間が余らない限り観光なんてしない。(笑)

ローカル線で、そこが行き止まりの終点の場合など、乗ってきた列車でそのまま折り返し、

終点駅滞在時間が5分のみなんていうことも。



 なぜそんなに線区踏破にこだわっていたかというと、1980年に国鉄が始めたキャンペーン

「いい旅チャレンジ20000km」というキャンペーンに参加していたため。

1980年当時の国鉄には全国で242線区あり、総延長がおよそ20000kmあった。

キリのいい数ごとに賞状がもらえる。

10線区賞、30、50、80、100、150、そして全線踏破。

結論を先に言うとキャンペーンが終わる1990年までに152線区まで乗った。

各線区賞の賞状と記念品授与は、キャンペーン参加時に自分が申請した最寄り駅の駅長さん

からもらえることになっている。実家に一番近い駅は新大阪駅だったので、いつも新大阪駅の

駅長室で受け取っていた。

当時中学生の私にとって、新大阪駅のような巨大な駅の駅長室に入って駅長さんから

直々に賞状と賞品をもらい、お茶とお茶菓子まで出してもらえると言うのは喜びの極みだった。

中学生の子供にのんびり旅行できるようなお金はない。

もちろん宿なんてただの一度も泊まらず、夜行列車と駅の待合室が主な寝床。(笑)

冬休みなど2週間しかない短期間の休みで、いかにたくさんの路線を乗りつぶすかが

数を稼ぐ決めてだった。

休み期間に入る前から時刻表とにらめっこ。

周遊区間内のすべての線区を、いかに短期間で踏破できるか・・・

夜中も移動し、乗り換え駅での待ち時間は短く、睡眠などまったく無視の計画。

たいてい、計画実行の途中で睡眠不足で寝過ごして計画どおりに実行できなかったが。(笑)



 こういう鉄道に乗りまくることが多い旅行者向けに、国鉄には「ワイド周遊券」と言う種類の

切符が売られていた。(JRになってからもしばらくは売られていた)

たとえば北海道ワイド周遊券の場合、出発地(自分の場合は大阪)から北海道までの往復切符と

それに加えて北海道内全域が乗り放題の切符がセットになったもの。

今までに使ったワイド周遊券は、北海道ワイド、東北、信州、北陸、南近畿、四国、九州。

それぞれの地域が乗り放題となる。

夜行列車を宿代わりに使えるほどの広範囲な周遊券は、ほぼ夜行列車が宿代わりだったが、

北陸ワイドや、信州ワイドは周遊区間内に十分睡眠を取れるだけの夜行列車がなく、

駅の待合室で寝泊まりすることもしばしば。

上のワイド周遊券の見ていて思い出したが、北海道、東北は冬に、四国、九州は夏に。

つまり寒い時にはより寒く、暑い時期いは暑いところへ行っていた。(笑)

中学を卒業するまでに、沖縄以外のすべての都道府県に足を運び、高校生になってから以降は

少しずつ観光もするようになってきた。



 ちなみに私が高校生の当時、北海道ワイド周遊券は20日間有効で学割に冬季割引を合わせると

およそ\25000だった。大阪から往復して、20日間も北海道を全域、しかも特急急行乗り放題で

この価格である。(大阪〜青森までは急行のみ乗車可)

その周遊券も今はもう販売されていない。民営化されたJRにとって、その切符はあまりにも

格安すぎたのかもしれない。



 夜行列車を宿代わりにし、宿泊費ゼロの超貧乏旅行などは今の時代には合わないのだろうか・・・


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