2002/10/03 春から秋へ 送電線工事は大きくわけて3つあります。 1つ目は鉄塔をしっかり支える土台部分を作る基礎工事。 2つ目はできあがった基礎部分に鉄塔を組み立てる組立工事。 3つ目は鉄塔に電線を張る架線工事。 一番時間がかかるのは基礎工事で鉄塔のサイズにもよるがだいたい1基の基礎を作るのに 1ヶ月。一番早いのは組立工事で高さ20メートルくらいなら1日、100メートルくらい のものだと3週間くらいか。架線工事はその間くらいの工期。 私ROOKIE、去年から今年の春までずっと携帯電話の中継基地の建設の現場責任者を やっていたのですが、今年の春から鉄塔基礎工事の現場責任者、9月からはそのできあがった 基礎に続いて組立工事の責任者、そして11月にかけて架線工事の責任者と送電線の 一連の作業の責任者をずーっと続けることに。 毎日通っている現場は富山県の利賀村というとても山奥でその中でも一番人里離れた ようなところ。(笑) もう5ヶ月もそこに通ってます。 春先はまだ雪が残っていて、夏はアブやブヨとの戦い、そして今はとても濃い秋の青空。 一番長い基礎工事、鉄塔1基で足が4つあるので4カ所の坑を掘ります。 今回の鉄塔は鉄塔としては最小サイズで、深さは5メートルほど。 事前に測量会社がボーリングで地質調査をして、それをもとに設計書を作り、発注となる わけですが、今回施工した3基の鉄塔のうち、1基がボーリング調査のデータとはまったく 違ってカチカチの岩、しかも4脚全部。(*_*) マイッタ 堅い岩を掘り進むのはものすごく大変なんです、重機の歯がたたないので基本的に 人力掘削作業。作業員さんよく頑張ってくれました。 ちなみに・・・ 建設業界はどこも同じだと思うのですが、現場責任者(監督)は基本的に作業をしては いけないことになってます。安全に、そして正確に構造物を作り上げていくために 工事全体を広く把握し、管理監督するためかと。 実はここだけの話(といってもネットで公開しておいてここだけもないですが) 私は監督でしたが、ちょっとだけ作業員やってました。(笑) だって、見てるだけよりも体動かしてるほうが楽しいもん。(^^) 基礎工事は先週あたりで終わったのですが、今日やっていた組立工事にいたっては 完全に作業員。鉄塔の一番上まで登って思いっきり作業してました。(笑) ほんとは下で監視していないとだめなんですが。あははは。 組立工事も3基目が今日で終わって次は架線工事です。 いやぁ 最初にこの山に来た時は夏までかなぁなんて思ってたんですが、 下手すりゃぁ雪が降るまでいてたりして。 標高800メートルほどのところなんで下界よりもかなり涼しいです。 なんせ6月でも雪が残ってたくらいですから。 夏の間は涼しくてよかったんですが、これから寒くなってくるのも下界よりもぐっと 早いので風邪ひかないようにしないと・・・ それと毎日800メートルもの標高差を行き来しているので、耳がおかしくなります。 会社に戻ってきてしばらくはなんか変な感じ。 体の変化についてよかったことも。この5ヶ月で左目の視力が0.2アップしました。 毎日山ばっかり見ているせいかしら。それも濃い緑をずーっと。 実は小学生の時から右目2.0、左目0.2というものすごい左右の差がある視力だったん ですが、会社に入ってから悪かった左目の視力がどんどんよくなり、今では0.7まで 回復しました。送電線工事って山での仕事が多いんでそのせいかなぁ。 たしかにこの業界は眼鏡をかけている人の割合が少ない少ないような気もします。 さてさて、山の緑ときれいな青空を見てすごしたこの5ヶ月でしたが、どこを見ても一面の 銀世界の景色になるのもそう遠くはないかな。(笑) ROOKIEは当分山ごもりしてます。(^^) おしまい。 |