2001/06/08 光ファイバー


 送電線とは その名のとおり電気を送るためのものなんですが、見てのとおりとても

高いところに張ってあるためそれだけ周りの建物なんかよりも雷も落ちやすいわけなんです。

雷のパワーはすごいもので、電線も溶かしてしまうほど。

しかしそう簡単に雷で送電線が故障していればたくさんの人が困ってしまいます。

そのため、送電線を雷から保護するために「電線」に対して「地線」と呼ばれる

鉄塔本体や地面と電気的につながっている、普段はまったく電気も流れていない

線が張ってあります。雷をそのまま地面に逃がしてやるためのもの。

送電線だけでなく、街でみかける電柱の配電線にも地線と

いうのはあるんでよーく見たらわかるかも。とにかく一番上に張ってある線です。




 昔はただの鉄線だったんですが、日本中に張り巡らされている送電線網、これを

利用しないテはないと、最近は中空の地線で中に光ファイバーを通してある線が

増えてきてます。その光ファイバーが中に入っている地線のことを

「オプチカルグランドワイヤー」 と呼び、頭文字をとって「O.P.G.W

私たちラインマンは普段は「オーピー」と呼んでいます。

IT化の進むこの時代、古い地線はどんどんO.P.G.Wに張り替える工事が

進んでいていずれは地線にはほとんど光ファイバーが通るようになることでしょう。




 このO.P.G.Wへの張り替え工事の話を少し。

電線と違って普段は電気を流していないわけですから、大きな断面積は必要なく、

その電線よりもかなり細い線となってます。

具体的に数字で言うと断面積が90平方ミリメートル。

感覚で言うと大人の指くらいの太さでしょうか。

作業の中にはその電線にまたがってするような作業もたくさんありまして、

これがまたケツが痛い!! 細いところにまたがってるもんでおしりが3つに

割れてしまいそう。(笑)

ここを立ち上げた時から作業風景の写真があればなぁ・・・と思っていたんですが、

普段の作業はかなりハードなもので、写真を撮るなんて余裕はありませんでした。

よけいな者を持って上がって落としたら大変ですしね。

ところが先日の工事で同僚が撮影に成功したので念願の写真をここでアップします。


同期のF君。
彼がまたがっているのがO.P.G.W
手前から5メートル向こうくらいまでいくつか
ぶら下がっている線は
「クリスマスツリー型ダンパー」
と呼ばれるもので、地線の振動を吸収する
ためのもの。これを取り付ける作業でケツが
痛いんよね〜 (笑)

眺めのいいとこでしょ。
普通の人だったら怖くて動けなくなるかも。


 日本のIT化にも貢献しているラインマンなのです。

今日も頑張るぞ〜



おしまい


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