2012/08/29 槍ヶ岳〜西穂高岳 縦走 その3

縦走3日目は一般登山道では日本最難ルートの奥穂高〜西穂高です。


8月28日(火)のルート (青線)
穂高岳山荘を出発し、ジャンダルム・
西穂高岳を通ってロープウェイの
西穂高口まで。


 2日目の夜もとても疲れているハズなのによく眠れない・・・\(~o~)/ふあぁぁ 
21時消灯で布団に入るも、24時くらいまで起きてて、その後眠りに落ちるも部屋が暑くて
1時間おきくらいに目が覚めた。深夜2時前、トイレに行った人がいて、その方が部屋に入る
扉を少し開けたままにしておいてくれたので、廊下の冷気が入ってきて部屋が涼しくなり、
そこでようやく眠ることができました。(^。^;)フウ 
でも4時前には起きて準備し始める人がたくさんいて、アチコチからゴソゴソ音が
聞こえて眠れない。 (+_+) ラスト1時間だけ気合いで眠りました。(笑)


午前4時40分頃、うっすらと明るくなってきました。 キレイな朝焼け。(^_^)


日の出はだいたい5時20分くらい、朝食が5時ちょうどからだったので、早々に朝食を食べ、
日の出を見るために外に出ました。メッチャ {{{{(+_+)}}}}寒ううぅ〜 気温7度くらい。
この日の下界は35度とかの溶けそうな暑さだったようですが、こっちは震えてました。(笑)
今日も天気がよさそうです。 \(^o^)/



みなさん写真を撮ってます。



山肌も燃えるような赤色に染まってとってもキレイ。



すっごい寒いので、日が昇ってすぐに部屋に戻ってきました。朝日が入り込んで部屋の中も赤色。



5時30分、穂高岳山荘を出発。 その直後ヘリコプターが飛んできました。物資を運んでいる
ようでもなかったし、何の用事だったのかな。



ポコっと丸いのがジャンダルム。この岩山の尾根づたいにずっと歩いて行くんですよ。
すごい険しい稜線、左右どちらも落ちたら絶対にアウト〜 だな。
でもこういう所こそやりがいがあるってもんよ。


上の写真を撮った直後に向こうから歩いてくる30歳くらいと見られる男性2人組とすれ違いました。
(・_・?)ハテ 「こんな時刻に逆方向に歩いてるなんて、今朝はどこから出発したんですか?」
って聞くと、私と同じ穂高岳山荘を出てジャンダルムに向かっていたけど、「あまりにも怖くて
こんなん無理」って諦めて戻ってきたって。登山慣れしてそうな雰囲気の2人組だっただけに
「この先ってそんなにスゴイとこなんか・・・」とますます行ってみたくなる。(笑)
o(^o^)o ワクワク


先行の登山者発見。 おはようございま〜す。(^O^)/ 
尖った稜線、左右どちらに落ちても間違いなく即死、こりゃぁ確かに怖いわ。
日本の屋根と言われる北アルプスのてっぺんって幅が人1人分くらいしかないくらいすっごい
切り立ってます。

ちなみに私は元鳶職なんで、高度感による恐怖はあまり感じないのですよ。(⌒ー⌒) ニヤリ



さっきの人に写真を撮ってもらいました。馬の背で水平バランス。 写真じゃよくわからんけど、
ここ、両側が鋭く切れ落ちてて、絶壁の頂点なんでめっちゃ怖いねんで〜(笑)



これが馬の背、さっき写真を撮ってくれた緑のザックの人に道を譲ってもらったので、先に下りて
来て後ろを振り返って写真を撮りました。 ズルッといったら終わり・・・コワー



馬の背過ぎてもまだまだ怖いところいっぱい。(笑) この写真、ちょうど真ん中あたりに人が4人
いるのがわかりますか? ほとんど垂直みたいな壁を登って行きます。その向こうの頭がちょっと
丸っぽいのがジャンダルム。



ここ、左手に鎖があるんですが、足の踏み場がホント靴の幅分しかないのですよ。
見ての通り、もちろん足を踏み外したら終わりです。これが一般登山ルートかと思うくらい。



ジャンダルム登頂成功 ばんざ〜い \(^o^)/  標高3163m  6:55。



向こうのトンガリ山が槍ヶ岳、あそこからず〜っと歩いてきたんだなぁ・・・感無量。
でもまだ先は長いので気を抜けません。



4つ前の写真に写っている、壁を登っていた4人組に途中で追いつき、道を譲ってもらってほぼ同時に
登頂しました。自分の足でここまで来た者だけがわかるこの感動!! みんなで
「おめでとう」の合唱。握手しましょうってことでみんなで登頂の成功を祝ったのでした。
オメデト(^_^)∠※PAN! ヤッタネ \(^o^)/     ジャンダルム山頂  6:55



看板を持って記念撮影 \(^O^)/ヤッター
この写真を撮影してくれた、金沢ハイキングクラブのYさんの個人山行報告の
ページもどうぞご覧ください こちら
青線が今日のルート、黄丸がジャンダルム  6:55



ここからも富士山が見えました。 雲海もキレイだなぁ。



4人組のみなさん、1人がリーダーさんらしき方で、3人は年配の女性の方でした。すごいですね、
もう孫がいてもおかしくないようなお年の上に小柄な方達ばかりでしたが、
若い男でも怖くて引き返すような、よくぞこんな険しいところまでやって来ました。アッパレ。 



ジャンダルムの西穂高側です。ほとんど垂直に近い壁のような岩場を、この女性達はまったく
怖がることもなくおしゃべりしながら上り下りしてました。日本の女性は逞しい・・・。



さて、本日のメインイベントのジャンダルムが終わったわけですが、まだまだ道は続きます。
これまでと同じくずっと稜線歩き。足下が悪くて結構疲れるのだ。



馬の背で水平バランスの写真を撮ってくれた緑のザックの方もすぐ後ろにいました。
ナイフのように尖った稜線。



天狗のコルに岳沢へ下りるエスケープルートの分岐があります。ここを下りれば上高地へと
抜けられるようですが、あまり通る人はいないみたい・・・。

そういえばちょうどこの辺で、西穂山荘から私と逆方向へ縦走している人と初めてすれ違いました。
しかし私と逆方向に歩いていると言うことは、今朝は西穂山荘から出発したはず。地図で見ると
西穂山荘からここまでコースタイム6時間で、ここですれ違ったのは8時15分やから、夜中の
2時頃に出発したのかしら・・・だとしたらヘッドランプ付けて夜明けまで歩いてたってこと、スゴイなぁ。

天狗のコル 8:15
黄丸地点が天狗のコル  8:15



天狗岳頂上。 標高2909m



なんか物騒なことが書かれてますけど・・・(^^;; ヒヤアセ



ジャンダルムが終わって後は楽チンかと思いきや、まだまだこんなところがあるんですね。
矢印のところに人がいて、スリル満点なルートなのがわかるでしょうか。



間の岳の頂上は岩に文字が書いてあるだけ、しかも消えかかってるし。(笑)



穂高連峰の最終目標の西穂高岳が見えてきました。一旦下りてまた登るんですね・・・(^。^;)フウ



誰もいなかったので、岩の上にカメラを置いてセルフタイマー。尖った岩ばかりでなかなか
カメラが安定せずに苦労しました。
黄丸地点が西穂高岳   10:15



見た感じ、ここから先は壁みたいな険しいところはなさそう。(^_^)



こんな高いところでも蝶が飛んでくるんですね。近くに仲間もいるのかな。



高級そうなデジタル一眼カメラが落ちていました。ぶつけたのか落としたのか、液晶も割れ、ボディも
壊れてましたが、だからと言ってこんなとこに残していくのはマナー違反です。(-_-メ)



山肌にもだんだんと緑色が増え、標高が下がってきた感じがします。気温も少しずつ
上がって来て、天気もいいもんで山歩きするには結構暑い・・・。



ピラミッドピークでピラミッドを作って記念撮影。(笑)
  10:55
 



西穂高岳独標。 ロープウェイで新穂高温泉から上がってくるハイキングの人達で、ここまで
来る人もいるようです。でもここから北は恐怖のルート(笑)なので、これより奥穂側にさらに
進む人は本格的な登山者と言うことですね。
黄丸地点が西穂独標   11:25



昨日と同じく岐阜県側からの雲を長野県側の気流が力強く押し返しています。空気の壁があるみたい。



ここまで来ればもう大丈夫かな。(^_^) 穂高岳山荘を出てから西穂高岳の間はほとんど人が
いませんでしたが、西穂高独標を過ぎると一気に人が増えてきました。鎖を使ったり滑落したら
即死みたいな険しいところもないし、ロープウェイを使って日帰りで登ってこられるからかな。


 この辺まで来ると、奥穂高岳から私のようにずっと歩いて来た人はほとんどおらず、
ロープウェイで新穂高温泉から上がって来た人ばかりになります。
途中ですれ違った人に
「この先はもう鎖とかないですか?ストック使って歩けますか?」
って聞くと「えっ (?_?)」 って言う顔をされました。(笑) 
向こうは自分達と同じようにロープウェイで上がって来たと思っていたみたいで、
下山ルートについて尋ねるってあなたどこから来たの?みたいに思ったんでしょうね。(笑)


西穂山荘近くはこんな道が続きます。1人分の幅もなくてすれ違い不可って感じでした。(笑)



あぁ〜 文明のニオイがする・・・ 西穂山荘です。  12:20
ここまで来ればロープウェイも近い。
黄丸地点が西穂山荘   12:20



ソフトクリームにかき氷やら冷たいジュースやら買おうかなぁとも思ったのですが、止まるのが
面倒だったんで素通りしちゃいました。(笑)



今回の縦走のゴールであるロープウェイ乗り場の西穂高口まであと2.0km、もう少しだ〜
e(^。^)g_ファイト!!


 3日間のうち、ほとんどを標高3000m付近を歩いていたので、ずっと眺めがよく、歩いていても
飽きないルートだったのですが、この西穂山荘からロープウェイ乗り場までの道はずっと
樹林帯でなんにも景色が見えません。標準コースタイムが下りは1時間って書いてあった
けど、3日間歩いた中でこの1時間が最も長くて辛くて苦しい1時間だったかも。(^。^;)フウ
ホンマ長く感じた・・・。


\(^O^)/ヤッター 槍ヶ岳〜西穂高岳縦走達成 ばんざ〜い \(^o^)/ 3日間ホンマよく歩いた。
大きな建物の割には入口がとても小さいなぁ。(笑)
黄丸地点がロープウェイの西穂高口駅  13:20

穂高岳山荘からロープウェイの西穂高口駅までの私の
所要時間 7時間30分 標準コースタイムが9時間50分
なんでこの日もまぁまぁのペースで進めました。(^O^)


8月28日(火) 山行記録
穂高岳山荘出発 05:30
ジャンダルム 06:55
天狗の頭 08:15
間の岳 09:15
西穂高岳 10:15
ピラミッドピーク 10:55
西穂独標 11:25
西穂山荘 12:20
西穂高口駅 13:20


新穂高ロープウェイ、平日なのに満員でした。切符売り場を探したのですが、それらしき所が
見つからない・・・駅員さんに尋ねてみると、すっごい狭い、改札口の窓のようなところが
切符売り場でした。このロープウェイに乗る人、おそらく99パーセントは下から往復で
乗る人で、片道切符で乗る人なんてほとんどいないので、山上の駅で切符を買う人
なんていないんでしょうね。

今朝穂高岳山荘を出発した時は、周り中本格的な登山家達ばかりだったのですが、
ロープウェイに乗るのに並んでいる時に周囲の人を見たら、登山者らしき人はどうみても自分1人だけ。
(;^_^A アセアセ  
サンダルの人もいたし、幼稚園児くらいの子供を連れた親子もいたし、服装もオシャレだったりして
私の存在がとっても浮いている感バリバリ。(笑) なんかヘンな感じでした。_(^^;)ツ アハハ
しかも3日間風呂に入れなかったワケでもしかしたら汗臭いニオイを発散してたかも
・・・_(^^;)ツ アハハ   あぁ〜 早く風呂に入りた〜い!!


このロープウェイ、途中で1回乗り継いで新穂高温泉まで下って行きます。
最初に乗った西穂高口駅の標高2156m、山麓の新穂高温泉駅が1117m、
1039mもの高低差を乗車時間合計わずか11分で下って行くのですよ。動力ってすごいなぁ。



ホントの下界に下りて来ました。
ロープウェイの新穂高温泉駅です。
道路をあと1kmも下れば駐車場。

すごい達成感・充実感です。
さ、早く車に戻って風呂行こ風呂。(笑)


 車に戻って一番最初にすることが登山靴を脱いでサンダルに履き替えること。(笑) 
足の開放感が最高。(^o^)  駐車場から車でほんの数分も走ると、飛岳の湯と言う
源泉掛け流しの温泉があります。この温泉、とっても登山者に親切な温泉で、
歯ブラシとカミソリはタダ、「登山してきました」って言えば100円引きで600円で入れます。
中には無料のスナック菓子があったし、広々とした露天風呂で新穂高温泉へ車でアクセス
する登山者には絶対オススメの温泉です。(^o^)

この3日間歩いたルート、すんごい眺めのいい所ばっかりだったし、私好みのアクロバティックな
所もたくさんあって楽しかったのでまた行きたいな。今度はもっとゆっくり歩いて途中の景色を
もっと堪能すればいいかなぁ・・・でもせっかちなんでやっぱりできないかも。(笑)
日本にもこんなすばらしい所があるのかぁと思った3日間でした。ちょっとしんどいけど
行く価値十二分にありますよ〜 (^O^)


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