2010/10/04 ヤマハ YZ125

仕事関係の方からヤマハのモトクロスバイクのYZ125を譲っていただきました。
もう20年以上のバイクでしかもここ10年ほどまったく動かしていないとのこと。
頑張って再生するぞ〜 e(^。^)g_ファイト!!


これがYZ125です。元々がレース専用車なので灯火類やメーター類は一切付いていません。
エンジン始動や停止のキーもありません。キックでエンジンをかけ、停止させる時はギヤを入れた
ままクラッチをつないで強制的にエンストさせます。
排ガス規制の都合で今は国内では生産されていない、2サイクルエンジン車。



エンジンがかからない場合、原因は大きく2つに分けられます。1つは火が飛んでいない
(スパークプラグが点火しない)こと。もう一つはガソリンが供給されていないこと。この2つをちゃんと
調べれば大抵は原因がわかるのだ。とりあえずタンクとシートとサイドカバーをハズして
中身を剥き出しにします。



まずはプラグを調べて見たところ、ちゃんと火花が飛んでいたので点火の方には問題なさそう。


残る原因はガソリンがちゃんと供給されているかどうか。タンクにガソリンを入れて、燃料コックを
オンにしてみたらちゃんとガソリンが流れ出てきたので、タンクや燃料コックには問題なし。
次はキャブレターを取り外して分解してみます。



キャブレターとは、ガソリンを霧状にして空気と混ぜ合わせ、エンジンに供給するための混合気を
つくる器械です。アクセルを開閉すると、丸い穴の中に見える黒い部分が上下して、エンジンに
送られる混合気の量が調整され、バイクが加速したり減速したりります。



長年動かしていないバイクは、キャブレターの中のガソリンが変質してドロドロになっていることが
あるので、キャブレターを分解して中を洗浄します。写真で手に持っているのがスロットルバルブ。



先のスロットルバルブが上下することで、写真のように空気の通り道が広くなったり狭くなったりして
エンジンの出力を調整します。 針のような部分の下に小さい穴が開いていて、そこからガソリンが
吹き上がってきます。



これはスロットルバルブを閉じた状態。普段で言うところのアイドリング状態。
写真は撮っていませんが、キャブレターの下部も分解してキレイに清掃しました。キャブレターは
構造自体は単純なので、これでガソリンの供給も大丈夫なハズ。



プラグよし、キャブレターもよし、エンジンはこれでかかりそうなんですが、フロントブレーキも
まったく利かない状態だったので、こちらも点検してみました。手に持っているのはキャリパーと言う部品。



バイクから取り外してみると・・・
(><)キャァ ドロドロのサビサビ・・・これじゃぁまともにブレーキ利かないよぅ。



ピストンを外し、キレイに錆びと汚れを落としました。ホントはピストンもオイルシールのゴムも交換する
ことが望ましいのですが、なんにも部品を用意してないので、とりあえず現状をすこしでも改善する
ことにしました。



ブレーキをよく使うとブレーキキャリパーは熱くなります。熱でグリスが溶けて流れないように、この
部分に塗るグリスは熱に強い特殊なグリスを使用します。グリスを塗ったこのピストンを、キャリパーに
また取り付けてキャリパーの整備はこれでヨシ。



先ほどのキャリパーを元の位置に取り付けました。ディスクローターが真っ赤に錆び付いていますが、
これは普通にバイクを走らせてブレーキを使っていれば、錆びが取れてキレイになっていきます。
このバイクに限らず、車でも1週間も乗らなければディスクローターが錆びてきます。久しぶりに車に
乗ったら最初はブレーキの所からガリガリ音がするかもしれませんが、全然心配いりません。(^_^)



キャリパーだけでなく、ブレーキレバー側のマスターシリンダーのフタを開けると・・・
(><)キャァ こっちもエライことになってる〜 (+_+)
ホントはここはブレーキオイルで満たされているハズなんですが、ブレーキオイルが変質してヘドロ状に
なってました。こんなヒドイ状態なの初めて見た。(*_*)
もちろんこれもキレイに清掃。



キレイに掃除したマスターシリンダーに新しいブレーキフルード(オイル)を注ぎます。実はここから
先が大変なんだな・・・ブレーキホースやキャリパー内に残っているエアを完全に抜いてしまわないと
ブレーキは利かないのでエア抜き作業を行うのですが、2時間くらいかかった・・・(^。^;)フウ



ガソリンタンクやシートを元に戻し、緊張のエンジン始動・・・ちゃんとかかってくれるかなぁ・・・と
おそるおそるキックしてみたら、なんとっ!! 1発でかかりました〜 \(^O^)/ヤッター
10年ぶりに動いたエンジンです。(^_^)

キャブレターとブレーキ系統以外の部分もちょっとチェックしてみたのですが、緊急で修理が
必要そうなところはナシ。せっかくエンジンがかかったのでちょっと走ってみました。
もちろん、公道は走行できないので、近くの河の堤防で試運転しました。



レース用のバイクを運転するのは初めてなんですが、保安部品他、余計な部品が全然付いてないので
すっごい軽いのだ。サイドスタンドもついてなくて、バイクを降りる時は写真のように三角スタンドを
フレームの穴に挿入してバイクを立てておきます。



すごいスリムでしょ。
ごらんの通り、ナンバープレート
もテールランプもウインカーも
ありません。



20年以上も前のバイクですが、デザイン的にはまだまだカッコイイって思うのは私だけでしょうか・・・。
このバイク、125ccですが、ムチャクチャ速いです。市販車の125ccは22馬力くらいなんですが、
このバイクはレース用とあって125ccで出せるめいいっぱいのパワーがあって、なんと36馬力。
しかもこの軽量ですから、すんごい加速します。
昔、2サイクルの200ccのバイクでオフロードレースに出ていたことがありましたが、公道走行可能な
市販車の200ccよりもこちらの方が速いのでは・・・って思うくらい。



このボコボコのブロックパターンのタイヤが悪路をガッチリと掴んでくれるんですよ。(^_^)



こうして我が家には2台のバイクが並んでいます。でもこのYZはそこらへんでは乗れないので、
ちょっと遊んだら手放すかも・・・。


久しぶりに乗った2サイクルエンジンのバイク。この加速がたまらんですねぇ〜 (^_^)


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