2007/06/11 汽笛は途絶え・・・

 久々に家族4人でドライブに行きました。行き先は未定で気の向くままに。
うちの自宅を出て1時間ちょっとで国道41号線の神通川沿いへ行きます。
そこにはかつて国鉄神岡線、1987年からJR線、そして第三セクターへと変遷
してきた神岡鉄道がありました。JR高山本線猪谷駅から分岐し、奥飛騨温泉口駅
まで総延長19.9kmのローカル線。三井金属神岡鉱山から硫酸の輸送が主な
収入源だったのですが、2004年にすべて自動車に取って替わられ、旅客輸送
では乗客が1日に100人にも届かない状況で廃線を余儀なくされました。
そして2006年12月1日に廃線。また一つ風情が消えてしまいました・・・


 今回寄ってみたのは漆原駅。
駅の横の踏切にはバリケードが設けられて
いました。
 漆原駅のホーム。もう使われることはないか・・・。



上の踏切から駅とは反対の方向。
奥の方にトンネルが見えます。
この神岡鉄道、総延長の6割がトンネルで、
「奥飛騨の地下鉄」と呼ばれることもあったとか。
左写真の奥に見えていたトンネルの入口。
堅固な柵でふさがれていた。
この茂住トンネル、3km以上の長さがあり隣の
茂住駅まで要するにすべてトンネル。



駅横の踏切。
「廃線に伴い、停車せずに通行できます。」
の看板が寂しい・・・



漆原駅のホーム。
ホームの右奥にはおそらく待合室のような
モノがあったと思われる。
落ち葉が散乱しても掃除されることもない。
寿老人と書かれていたが、今は中は何もなかった。



廃線になってまだ半年だが、これから長い年月
の間にこの線路も草木に覆われてしまうだろう。
駅名表示板も撤去されていた。昨今の金属価格
の高騰により、鉄屑として売られたのだろうか。



ホームへ上がるには階段ではなくスロープに
なっていたので車で上がってみた。
営業路線ではこんなことはできないだろうなぁ。(笑)



以下の2枚はまだ営業していた2006年3月の写真です。
神岡鉄道には「おくひだ1号」と「おくひだ2号」
の2両しかない。こちらは「おくひだ2号」
いろりを模したコの字型シートがあった。
ご覧の通り、乗客は皆無。これでは廃線も
やむを得ない・・・



 廃線になった鉄道ではレールは鉄として有用なので撤去されるのが通常であるが、
この神岡鉄道は不定期の観光鉄道として存続させると言う話が今も議論されており、
レールが撤去されていないのはそのため。
早ければ来年5月にも再び列車が走る姿が見られるかもしれないが、現時点では
まだどうなるかは未定である。


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