2005/05/06  強行自転車320km(前編) 


 かつては自転車で年間1万キロ近くを走り、北海道や九州も走った経験の
ある私ですが、高校を卒業以降すっかりバイクの虜になり、ただの一度も
自転車では長距離を走ることがないまま17年の歳月が流れました。 一昨年の
剣岳登山以降、体をハードに動かすようなこともなく、年齢とともにたるんで行く
体・・・(;^_^A アセアセ  季節的にちょうどいい時に6連休となり、自分自身に
活を入れるのと、根性がどれくらい残っているか、また体力の限界はどの
程度かを身をもって確かめてみるのと、うまいこといけばダイエット(笑)
にもなるかなぁと思い、自転車強行策を思いついた次第です。

 3日から6連休が決まった5月2日、職場の同僚に自転車を貸してもらう
話をし、その日の夕方自転車を借りに行きました。同僚の家から私の
自宅までは約7キロ、軽くリハーサルのつもりで走ってみたら以外と楽勝
だったのでなんとかなりそうかなぁ・・・

 昔の経験から320kmの距離だと2日で行けると判断。しかしそれはあくまでも
10代でしかも毎日20km以上走り続けていた当時のことなので、内心は
「やっぱり無理かなぁ、行けるところまで行ってあきらめるのも仕方が
 ないかもなぁ・・・」
と思っていました。
そして3日の朝、いつもどおり目覚め、まだ行こうか止めておこうか迷って
いたのですが、「とりあえず行ってみるか・・・」
一泊分だけの荷物を持って自宅を8時過ぎに出発しました。


私の家は富山県南西部で20kmほど走れば
石川県との県境になります。
ここは国道304号線。とってもいい天気で
走ってて気持ちいい〜 (^^)
一応峠道だったのですが、出発してすぐと
言うのもあってまだまだ元気。


 楽しく走って行けたのも金沢くらいまでで、あとはとにかくケツが
痛い。~(>_<。)シ~   借りてきたマウンテンバイク、とてもいい
自転車なのですが、キャリアが一切ないため、荷物はすべて
リュックサックに入れて背負って走っていたせいもあって、体重以上に
お尻に負荷がかかっていたのと、肩こりもひどくて大変。
まだ全行程の10分の1しか来てないのにもうこれか・・・(*_*) マイッタ
お昼はコンビニでチキンバーを一つ。水分を多めにとって、食べる
方はほんの少し。失敗したのが塩を持ってくるのを忘れたこと。
大汗かいたら塩分補給をすると楽になるんよね〜
仕事では夏場は食卓塩を持ち歩いているくらい。
忘れてしまうとは・・・トホホ


金沢以降はホントに気力でただひたすら
こぎ続ける世界。とにかく頭を真っ白にして
何も考えずに足だけ動かすと。(笑)
これは昔も同じでした。 
走っていると風が当たって涼しいのですが、
止まると燃えるような体から猛烈に汗が噴き
出して自分が溶けてしまいそうになるので、
水分補給時以外はほとんど休まずこぎっぱなし。

ここは国道8号線、石川県と福井県の県境。


 富山の自宅から大阪までの中間地点はだいだい福井県の敦賀の
あたりだと思うのですが、敦賀よりもまだ55キロほど手前の福井市内
まで今日中に到達できなければ2日間で大阪へ行くことはほぼ
不可能なので明日はもう富山へ引き返そうと思っていました。
そして福井市内に到達したのが午後4時、陽も長いしまだ行けそう
だなぁ・・・ 
今日のうちに距離を稼いでいたほうが明日が少しでも楽になる・・・
どんどん進んで鯖江から武生へ。 このあたりでそろそろ陽も暮れて
きた午後6時。 夜は北陸本線の無人駅で駅寝するつもりでいたので、
武生をすぎて最初にありそうな無人駅で泊まろうと考えていました。
うまいこと見つかるかなぁ・・・

と走っていると国道8号線と北陸本線が大きく離れて行ってしまう・・・
もうだいぶ気力も萎えていたので、早いとこ駅を見つけておこうと
8号線を逸れ、線路づたいへ走って行くことに。
遠くになんとなく町がありそうだったので、これなら駅もあるだろうと
かつての勘を働かせたつもりで住宅街をすすんで行くと、コンビニが
一件。そこでビールを飲んで晩ご飯代わり。(笑) 急に体力を激しく
消耗したせいか、午後から食欲が一切なくなり、水分補給だけで
夜になっても腹も減らず、こんなに体を動かしているのに変だなぁ。

コンビニで
「どっか近くに公衆浴場ないですか?」
と訪ねたところ、車で5分くらいで温泉ありますよとの返事。
コンビニ店員のお姉さん、私が自転車で走ってるとは思わなかった
んでしょうね。日焼けで真っ赤っかの腕と顔、そしてものすごい
汗だくでレジにいたのですが。(笑)
まぁ車で5分なら自転車で行ってもたいしたことないやろうと
宿決めするまえに温泉へ。



国道8号線へ戻ってちょっと山側に入った
ところにある温泉施設「湯楽里」
宿泊も可能な大型施設で風呂場も大きく
気持ちいい〜 ヽ(´▽`)/

今晩のお宿の予定の駅はまだ場所も見つけて
おらず、だいたい無人駅かどうかもわからな
かったのですが、陽も暮れてるし、「駅がだめなら
他でもなんでもいいや」とどうにでもなれって
感じ。(笑)

駅で寝るのってあまり早くに行って荷物や寝袋
を広げていると他のお客さんにも迷惑になるので
ここの温泉で19:00〜21:30くらいまでテレビを
見て時間つぶし。


 温泉から自転車で15分ほど町へ戻ると予想通り駅がありました。
しかも無人駅。\(^o^)/ワーイ 北陸本線王子保(おうしお)駅です。
駅舎が残っている無人駅で条件としては最高。待合室のイスには
座布団がしいてありこれまたいい感じ〜 (^^)
コンビニも近いし駅にも販売機あるし、トイレもあるし、誰もおらんし
まさに駅寝のためにあるような駅。(笑)

私が着いてから終電まであと5本の電車が到着するところでした。
高校生くらいならまだ「学生さんの旅人」って誰もが思ってくれる
のでしょうが、35歳のオッサンが駅で粘っていると下手すりゃ
不審者。(笑) ちょっとその辺が気になったので、10時過ぎたころ
からは電車が来ると寝袋の中に入って顔を隠していました。(笑)
外見でツーリストと判断してもらいやすいように自転車には
今日来ていたTシャツとタオルを干すなど一応小技も使ったり。(笑)

誰もいない駅で一人ぼっちだと寂しくもなるのですが、待合室内に
近くの幼稚園児の絵がたくさん飾ってあり、うちにも幼稚園の子供が
いるので子供のことを思い出したりしながらぼーっと過ごして
いたのでした。 
いつぞやの「旅の思い出」に「駅寝」と言う題での文章もあるの
ですが、そこに「もう駅寝することはないだろうか・・・」と
寂しく書いたのを思い出し、「まだまだいけそうや〜ん」とちょっぴり
嬉しくなったROOKIEどす。(^^) 

この王子保駅、列車が接近すると下り線は「村の鍛冶屋」、
上り線は「エリーゼのために」がけたたましい音量で流れて
騒々しいったらありゃしない。(笑)  


駅寝の様子。
顔が赤いのは酒のせいではなくて日焼けです。
この一日だけで腕と顔が猛烈に日焼けした
のでした。(x_x)

待合室の明かりも深夜12時頃にはタイマーで
消えて寝やすい環境に。
しかし久々の駅寝で嬉しすぎて興奮していた
のと、夜中でも夜行列車や貨物列車が結構
走っていたので熟睡できず、1時間ごとに
起きていたのでした。\(~o~)/ふあぁぁ



 デジカメのマニュアル撮影にバルブモードって
あったかなぁ・・・と探してみたけどシャッター
速度が最長で2秒。(ToT)ダー
とりあえず手持ちですが、2秒露光で通過する
特急列車を撮影してみました。



寝たり起きたりを繰り返しながらうたた寝
していると早朝5時に人の気配が。
初列車は6:05やのにおかしいなぁ・・・
とおそるおそる寝袋から顔を出してみると
掃除道具を持った年輩の方でした。

ROOKIE:「おはようございま〜す」
おっちゃん:「どっから来たん?」
みたいに会話が始まる。気のいい人でまだ
寝とってもいいよ〜って言ってくれたけど、どうも
落ち着かないので早々に荷物を片づけ
5時20分に出発。 まだ眠いや
\(~o~)/ふあぁぁ



これが一晩お世話になった
王子保駅です。 
いつかまた来ることもあるかなぁ。



 王子保駅から敦賀までは37kmほど、結構山間部を走って海岸へ
抜けるので高低差があってなかなか距離を稼げません。(^。^;)フウ
敦賀に近づくと眺めのよい海岸沿いを走るようになるのですが、まだ
7時前だと言うのにバイクライダーの多いこと。 さすがGW、しかも
絶好の天気。 中には私のようにチャリダーもいまして、すれ違いざまに
みんな手を挙げて挨拶して行きます。スポーツマン同士のさわやか
な挨拶って感じで結構好きなんだなぁ。自転車ツーリスト全国共通
のようで。 



敦賀を過ぎると福井・滋賀県境の本格的な
峠越えへ。敦賀市郊外で8号線と161号線が
分岐し、私は161号線の方へ。
ここは新疋田駅。鉄道写真で有名な場所
なんです。早朝からマニアがいました。(笑)

敦賀市街地から延々と上り続けていくので
朝からヘトヘト。(*_*) 



超スローペースで汗をかきかき進んでいると
道中で工事をしていた作業員さんが
「頑張ってくださいっ!!」 と。
その先には渓流釣りのおじさんが
「もうすぐ峠ですよ、頑張ってください」と。
声援をもらうと元気も出るってぇもんで。
e(^。^)g_ファイト!!
今回最大の難所、国道161号線の福井・滋賀
県境。峠越えがこんなにしんどかったとは・・・
いとも簡単に高速で登っていくバイクや車を
見て、いいなぁ・・・と羨望のまなざしで何台
見送ったことか。 
3ヶ月後には車でまたここを走るので、エンジン
のありがたみを感じながら通ることでしょう。



続きは後編で

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