05.ブルーマウンテン
Blue Mountain

 シドニーの英語学校では毎週土曜・日曜は休みだった。ホームステイのホストファミリー達が
いろいろ遊びに連れて行ってくれたり、テニスをしたりバーベキューをしたりと、イベントが
ある週末も多かったが、何も予定がない週末も半分くらいはあった。

 私は元々家でじっとしているのは苦手なので、1人ででもバスや電車に乗ってシドニーの
市街地へ出かけたりしていたのだが、みなさんもご存じのガイドブック「地球の歩き方」に
シドニー近郊のブルーマウンテンのことも載っていて、鉄道でシドニー中心地から西へ2時間
ほどと手頃な距離だったので、あの有名なブルーマウンテンに行ってみようと計画。
日帰りできない距離でもないが、地球の歩き方には「行くのなら1泊しよう」と書いて
あったのでその通りにすることにした。 これまた本に書いてあったユースホステルに
泊まろうと、電話予約に挑戦。なんせまだ何にもわからない状態なので、本が頼りです。(笑) 

 オーストラリアへ渡ってちょうど1ヶ月、まだまだ十分な英会話ができるには程遠かったが、
ホストファミリーにいろいろ教えてもらい、度胸を出してユースホステルに自分で電話をかけて
みた。英語で「明日の夜に泊まりたいです。大人・男・1人」なんて感じで文法や構文などは
お構いなしに、必要を思われる単語だけを並べて話したのだが、これでも十分私の意志は
伝わるものである。(笑)

 出発当日、まずはシドニーセントラル駅へ行く。ここは学校の最寄り駅で通学で毎日利用している
駅なので慣れたものだ。(^_^) シドニーでは、都市部近郊を走る電車と、長距離を走る電車とで
運行が別れている。 
路線図や切符などは前もって何も調べていなかったので、セントラル駅で時刻表と運賃表を
読んでいた。もともと鉄道旅行に関してはプロ級を自負していたくらいなので(笑) 英語になった
ところで私にはそんな抵抗感はない。(^_^) 
ブルーマウンテンの玄関口である「カトゥーンバ駅まで大人、往復で」と切符は簡単に購入できた。(^_^) 
時刻表大好きのROOKIE、じっくり見ていると、カトゥーンバ駅の一つ手前のルーラと言う駅、
駅間距離が1.9kmしか離れていないことを発見。(-_☆)キラリ

 カトゥーンバ方面へ行く電車に乗った。いつも載っているシティーレール(近郊電車)とは違って
乗客はほんのわずか、快速列車みたいで駅もいくつか通過していく。
初めての経験でワクワクしながら窓の外をずっと見ていた。
時刻表で予め到着予定時刻を調べておいたので、あとはその時刻の少し前くらいから止まる駅を
ちゃんとチェックしていれば、降り過ごすこともないだろう。
ここでさっき時刻表で見つけたカトゥーンバの一つ手前のルーラ、目的地のカトゥーンバまで1.9km
しかないのなら、このルーラで降りてみよう・・・。ここで私の好奇心が騒ぎ出した。(笑) 
わずか1.9kmの距離、まさか鉄道以外でその間を移動する手段がないなんてこともないだろう・・・
と希望的観測。(笑)

 一か八か、まぁなんとでもなるだろうと予定どおり一つ手前のルーラ駅で降りた。


 レウラ駅前。かなり寂しいところでは・・・と予想
していたのだが、私の予想よりは街らしくて安心した。
今ではここもブルーマウンテンの玄関口として
結構栄えてきたようです。
 駅の近くの人に、
「カトゥーンバまで歩いて行きたいのですが、道を
 教えてください」と尋ねると、親切に教えてくれた。
オーストラリア人、助け合いの精神が旺盛で、みなさん
ホント親切です。(^_^)
駅から離れるとすぐに何にもない感じのところになる。
写真は道中で見晴らしのよいところに展望台が
あったので、セルフタイマーにて記念撮影。
オーストラリアは日本のように山脈が少ししかない
ので、この写真のように起伏がある地形が見られる
場所は極めて少ない。



 ここから見えるのがブルーマウンテンかな?
と思いつつ、でも何も知らないままに来ている
ので半信半疑でもあり。(笑)

土曜日なのに誰もいなくて寂しかったが、
遊歩道がついていて、案内標識もあったので、
一応観光スポットなんだろうな・・・。

余談ですが、この写真の縦・横の比率が他の
写真と違うのは、ネガの原本の比率そのまま
だからです。写真屋さんでは通常、横長のネガの
左右両端部分を省いてプリントします。
このネガを写真やさんに持っていってプリントを
頼んだとしたら、右端の看板か、あるいは左端の
階段部分か、またはその両方がカットされた
状態でプリントされてきます。


 カトゥーンバ駅を目指して歩いていると、閑静な
林の中に鉄道博物館を発見。このような立地条件で
ここを訪れる人がいるのだろうか・・・と不思議に
思うくらいな所にあった。もちろん地球の歩き方
にも載っていない。(笑) 何にでも興味を持つ
習性の私です、しかも鉄道マニアの私がここを
素通りするハズもなく、もちろん入館。(^_^) 貸し切り
状態で、館長さんが丁寧にガイドしてくれました。
 鉄道博物館の観覧を終え、引き続きカトゥーンバ駅を
目指して歩いていると、放牧されている馬を発見。
今後バイクでオーストラリアを旅することによって、
こういう光景は日常的に見ることになるのだが、私は
大阪の下町出身と言うのもあり、馬が放牧されている
光景はこの時点ではまだとても珍しいと感じていた
ので、たくさん写真を撮った。
なんかのどかな風景でいいですね。(^_^)



 さてさて、いよいよ近づいてきた。
ブルーマウンテン。 
このブルーマウンテンと言う名前の由来ですが、
一面に生い茂るユーカリの木から立ち上る樹木の
オイル分がくすんで青く見えることからその名が
付いたとか。今は世界遺産になってます。
 ついに来た〜 ブルーマウンテンの観光スポット。
ものすごいコワイ所。



 この奇岩が一番の見所。スリーシスターズと
言います。この写真では小さくてわかりにくいけど、
3つのうち左の岩には短い橋がかかっていて、
岩に触ることができる。でもその橋、すっごい
小さくて1人やっと通れるくらい、しかも断崖絶壁の
上にあるのでかなりスリリング。
 スリーシスターズをバックに記念撮影。(^_^)
ここは旅行者にシャッターを押してもらいました。



 このスリーシスターズ、魔物が襲ってきた時、
3人姉妹の父が娘達を岩にして隠したのですが、
元に戻すための魔法の杖を落としてしまい、
元に戻せなくなってしまったとか・・・
 高台から眺めて楽しむブルーマウンテンですが、
断崖を谷底へ降りていくこともできます。写真は
ジャイアントステアー(巨人の階段)
800段ほどだったかな。私は下へ降りていったけど、
逆に上がってくるのはとってもしんどそう。(笑)
視覚的にかなり迫力ある階段。 



 谷底近くまで降りてきた。ずっと遊歩道に
なっていて、来た道を戻らなくてもまた山の上に
行けるようになってます。
 洞窟みたい。でも危険立入禁止と看板が
立っていました。



 谷底から上の方を見上げると、小さな滝が見えた。  同じく枝の間からはスリーシスターズ。



 先ほどのジャイアントステアーを降りきって、
遊歩道をそのままずっと歩いていくと、シニック
レールウェイの駅に着きます。
このケーブルカー、ものすご〜く傾斜がキツイのん
わかりますか? 写真真ん中あたりに見えている
赤い色したのが車両です。今ちょうど降りてきた
ところ。
 ジェットコースターみたいな車両です。
しかも乗っている間の怖さもジェット
コースター並。(笑)



 私は下の駅から乗って上の駅へ向かいました。
乗車時は普通に座席に座るのですが、駅を出た
途端、前席の背もたれに足を載せる体制に。
私は一番前(谷側)の席だったので、囲いの部分に
足をかけていました。
 車両をひっぱっているケーブルが切れたら・・・
と思うとゾッとします。~(>_<。)シ~



 どんどん上がってきました。この写真だけ見ていると
傾斜がキツイのがわからないですねぇ・・・
 山の上の駅に到着。こちらは駅前まで道路が
来ていて、お土産やさんなどもあり賑わっていました。



シニックレールウェイの山の上の駅。
なんて名前だったかな・・・(;^_^A アセアセ
うしろの石像がスリーシスターズです。 
ブルーマウンテンに着いた最初はスリーシスターズ
のすぐそばの展望台から見ていたのですが、
今度は離れたところの展望台。



 シニックレールウェイの山の上の駅からは、
観光用のロープウェイも出ていて、空中散歩が
楽しめます。私も乗ってみました。
 このロープウェイ、乗ってから動き始めて、
ある程度の距離を進んだらそのまま引き返して
きます。向こう側には駅はないんです。
移動手段ではなく、眺めを楽しむためのロープウェイ。



 ブルーマウンテン観光もそろそろ終わりです。
たくさん歩いたな。(^。^;)フウ
スリーシスターズよ〜 さようなら〜
(^0^)/~~see you !

オーストラリア風に言うと
See yah!! (シーヤッ)

この時1993年5月、次に行くのはいつに
なるのだろう・・・


 観光を終えた後、明るいうちにユースホステルにチェックイン。
寝るまでにはまだまだ時間がたっぷりあったので、荷物は部屋に残して夜の
街へ繰り出してみた。ユースホステルでは食事なしだったので、夕食も街の
お店で簡単に済ませて。その後、通りがかりにあった飲み屋さん(プールバー)
に入り、1人でちびちびビールとウイスキーを飲んでいた。 なんかすっごい寂しかったけど、
日本を離れて1ヶ月、1人で異国の地の酒屋で飲んでいると思うと、これもまた貴重な
経験かなぁ・・・なんて思って寂しさを紛らわしていて。
日本の友達の顔が何人も浮かんできたなぁ・・・。

 オージー達は陽気な人が多く、1人で飲んでいてもすぐに声をかけてきます。
「にいちゃん、どこから来たんや?」から始まって・・・(^_^)
カタコトだったけど、赤い顔した(笑)オージー達と話ができて楽しかった〜。
自分は1人きりじゃないんだなぁって思うとメッチャ嬉しかったよ。(^_^)

 今回アップした写真は、1泊2日で遊びに行ったブルーマウンテン観光の初日の写真です。
初日で見るところはいっぺんに全部観光してしまったので、2日目は早朝、日の出前から
ブルーマウンテンの展望台に行き、日の出を見ただけですぐに帰途につきました。
ユースホステルなんかでももっと写真を撮っておけばよかったなぁ。(;^_^A アセアセ

 久しぶりのシドニー滞在記の更新、最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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