ウエスタンオーストラリア州とサウスオーストラリア州の州境。 見渡す限り地平線で、線路以外の人口建造物がまったく見あたらない この地では、たった一枚の古ぼけた看板がとてつもなく大きな 存在感を持っている。 ここを自力で通過する旅人は間違いなくこの看板のところで立ち 止まるであろう。 看板の裏には旅人が残した無数の落書きと、ビニール袋に 包まれたノートが一冊。最初に誰が残したのかわからないが、 ここをバイクで走り抜けた日本人ライダーが残していったようだ。 見ると知っている名前もあった。 「こんな道もない僻地へ好きこのんで来るのって日本人のバイク 乗りくらいやろうなぁ・・・」と思うと不思議と笑みがこぼれた。 |