ケアンズを出発するときはほぼ新品同様だったスプロケット。
ここまで来てしまうと、もうチェーンが空回りするだけで走ることはできない。
往復2000kmの未舗装路で一気にすり減ってしまった。
出発点だったケアンズまであと180kmのところでついに走行不能に。
日本製のちゃんとしたスプロケットを買っていればこんなにすぐにすり減る
ことはなかっただろう。

しかたなく、道ばたのブッシュに一人テントを張って残ることにし、相棒の
ナンチャンにケアンズまでスプロケットを買いに行ってもらうことになった。

夜は涼しかったが、朝7時くらいになると強い日差しでテントの中にいられなく
なる。何にもない誰もいないブッシュで一人過ごす時間がとても長い。
一人で落語の練習をしていた。(笑)
それでも暑さでへばりそうだったのでついに意を決してヒッチハイクして
45km南のロードハウスへ行くことに。
行きに乗せてくれたのは、フォルクスワーゲンの1ボックスカーに老人一人と
犬が一匹乗った車。「兄ちゃん、ビール飲むか?」と車内のクーラーボックス
にはよ〜く冷えたビールが積んであった。
炎天下で生ぬるい水を飲んでいたので、このビールはもう値千金!!

朝はオートミールに水をかけて食べただけで空腹だった。
ロードハウスについてすぐにハンバーガーを頬張る。これもうまかったなぁ。

帰りもまたヒッチハイクで、ロードハウスに立ち寄った車に声をかけてみた。
男女各2人ずつ乗った最新のランドクルーザー、
「45km先まで乗せて欲しいんですが」と頼むと、
「とりあえずビールでも飲んでいこう」と誘われてそのグループと一緒に
カウンターバーへ。
グラス一杯のビールを飲み干した後に、バイクを置いてきたところまで
送ってもらった。

最後まで気を抜けないケープヨーク行だった。


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