2008/02/26 スキーの手入れ

 これまでもちょくちょくスキーの手入れの写真をアップしていましたが、
スキーの手入れ方法について質問されることが多いので、初心者向けのスキー板の
手入れの様子を一通り並べてみました。


 来月一緒にスキーに行く予定の知人の板。
3年前に滑ったきり、後はほったらかしでまったく
手入れもされていません。エッジは錆びて赤く
なり、滑走面も酸化して白っぽくなってます。
 ご覧の通り、エッジが錆びています。



 この板のように、かなり傷んでいる場合は、
ファイルと呼ばれる平ヤスリで滑走面ごとエッジも
荒削りします。
 次に写真のようなシャープナーでエッジを削ります。
このヤスリは表と裏で目の粗さが違っていて、
荒削り用と中目になっています。



 エッジの滑走面側を削っているところ。
先ほどのファイルでだいたいの錆びは落として
あるのですが、このシャープナーでエッジの表面
をなるべくツルツルになるように仕上げていきます。
 今度はエッジの側面を削っているところ。
滑走面も側面も、シャープナーがエッジに一定の
角度でピタッと当たるように削ります。
エッジの角がキッチリ立つように。
実際にエッジの角の効き目があるのは、ビンディング
の前後の5〜60センチくらいなので、板の先端近くや
後端近くは逆に角を落として丸くしておいた方が
エッジによるケガの心配が少なくて安全です。



 初心者の場合、ゲレンデの雪が少ない部分
なんかを避けきれずに滑っているので、小石や
砂の上を滑ったりして滑走面に深い傷ができて
いたりします。滑りが悪くなるので、深い傷はちゃんと
埋めましょう。
写真の黒いスティックはスポーツ用品店で1000円
弱で売られています。ライターでずっと炙っていると
ローソクのようにスティックに火が点き、だんだん
溶けてポタポタ垂れてきます。
 削れてしまった傷の周辺にちょっと多めに垂らす
といいでしょう。10分くらいで固まります。



 補修剤を垂らした部分は金属製のスクレーパー
で削ります。削りすぎないように少しずつ削る
のがミソ。 写真は片手で持っていますが、削る
時は両手で持って削ります。
 指でなでて見てもどこを修復したかわからない
くらいスベスベになっていればヨシ。 この板は
滑走面がピンク色で、修復した所が目立ちますが、
見た目よりも滑走性能重視です。



 次に滑走面の手入れ。 滑った後にワックスを
塗らないまま何ヶ月もほったらかしにしたスキー板
の滑走面は、酸化して白っぽくなってます。
また、普段手入れしていないスキー板は滑走面の
汚れもかなり溜まってます。 
写真のブラシで真鍮製の毛の方を使って滑走面を
ゴシゴシ擦って滑走面ごと汚れを削り落とします。
お風呂でアカを落とすのと一緒。(笑)
 表面の色が変わるくらいブラシで削ったら、
削りカスがいっぱい出ているので、キレイに
取り除きます。真っ白のティッシュで吹いても
ティッシュがまったく汚れないくらいまでキッチリと
汚れをとること。 
ワックスリムーバーとかのスプレー式の洗浄剤を
使うといいかも。



 滑走面の汚れをキレイに落としたら、次はいよいよ
ワックス塗り。 アイロンにワックスをあてて溶かし
ながらスキー板に垂らしていきます。この時アイロン
をスキー板に当てずにちょっと浮かせた状態で
ワックスを垂らしましょう。なるべく滑走面には熱を
加えない方がいいので。
ちなみにアイロンはスキー用でなくても、スチーム
が出ない昔ながらのモノならO.K.です。
 板の前から後ろまでず〜っとワックスを垂らし
終えたら、次はアイロンを滑走面に当ててワックスを
延ばしていきます。可能な限り薄く薄く延ばすと。
アイロンを同じ場所にずっと当てていると、熱で
滑走面が傷むので、なるべくスムーズに延ばして
いきましょう。 ワックスは多ければいいわけでは
なく、板に乗っているか乗っていないかくらいが
一番いいので塗りすぎないように注意。



 ワックスを塗り終えて30分くらいたったらプラス
チックのスクレーパーでワックスを剥がしていきます。
金属製のスクレーパーだと、ワックスだけでなく、
板自体も削ってしまうので、かならずプラスチック
のスクレーパーで行います。
スクレーパーで削れるワックスは全部余分な
ワックスなので、剥がせるだけ剥がします。
 プラスチック製のスクレーパー、すぐに角が取れて
しまうので、写真のようにファイルでこまめに削って
角が立つようにします。私はスキー板1本分の
ワックスを落としたら一度スクレーパーの目立てを
しています。



 スクレーパーで削り終えたら次は樹脂製か、
あるいは馬毛などの柔らかいブラシで滑走面を
軽く削り、さらに余分なワックスを落とします。
 こんな感じでブラッシング。



 この作業は今回は必要ないのですが、説明を。
アイロンではなく、ワックスを固形のままこすり
つけた時はコルクでワックスを延ばします。
 エッジの錆びも落ち、滑走面にもツヤが出て
いい感じになりました。(^_^)


  この板のように、3年間もほったらかしの状態でエッジも錆びてしまっていると、
そのままゲレンデに行っても緩い斜面ならまったく滑らなかったりすることも・・・
キッチリ手入れをしておけば板が長持ちしますし、いつもグッドコンディションで滑られます。(^_^)  


home       back      next      index