2007/01/15 新しいデジカメ

 去年の年末のことですが、新しいデジカメを買いました。カシオのEX-Z 850
1年ほど前に発表されたモデルで、今ではもっと新しい機種もいくつか出ていたのですが、あえて
旧モデルのこの機種に。それにはもちろんワケがあります。(-_☆)キラリ
今時のコンパクトデジカメは写真を撮るのには大抵はシャッターを押すだけで後はすべて
オートで・・・と言うモノが多いのですが、このカメラはマニュアル機能が大変充実していまして。
しかしなぜかしらこれよりも後から出た新機種は、豊富なマニュアル機能が省かれています。
 ユーザーの多くはマニュアル機能なんてあまり使わないからでしょう。


 少しマニアックな話になりますが・・・(;^_^A アセアセ
他のコンパクトデジカメにはなくてこのカメラにはある機能のうち、特に私が興味を持った機能を
あげると
1.シャッター優先AEがあること。
2.絞り優先AEあること。
3.シャッター速度が最長60秒間まで開放できる。の3つがあります。

 デジカメでもフィルムカメラでも、写真を撮るにあたって必ず出てくる数字が
シャッター速度絞り値
一般的なデジカメではこの両方ともにカメラが自動で設定してくれるので、シャッターを押すだけで
普通に写真が撮れます。完全なマニュアル撮影だとこの値の両方とも自分で設定することに
なります。今回買った新しいデジカメに着いている「シャッター優先AE」と言うのはシャッター速度を
自分の好きな値に設定すれば、それに応じた最適な絞り値をカメラが自動で設定してくれると
言うモノ。また絞り優先AEとは逆に絞り値を自分で設定すれば、それに応じた最適なシャッター
速度をカメラが自動で設定してくれると言うプログラムで、つまり半自動って感じですね。

 シャッター速度と絞り値の他にも私が自分で任意に設定したりする機能では
1.ホワイトバランス
2.ISO値(感度)
3.露出補正
4.オートフォーカス範囲
5.測光範囲
6.フラッシュ光量

などがあります。なんのことやらわからん・・・と言う方も多いかもしれませんが、説明は後ほど。
このデジカメは上記のどれもが簡単に設定できるようになっていて、小さなボタンをあれこれ
何回も押さなくてもいろんなマニュアル機能が使えるようになっていると言うのが特徴。携帯に
便利なコンパクトデジカメで、マニュアル機能がここまで充実しているカメラは他にはない
のでは・・・と思って今回の購入に至った次第です。
また、ホワイトバランスや露出補正などは、パソコンで画像加工ソフトを使えばいろんな
ことができるのですが、シャッター速度の速い遅いの違いはどんなに頑張っても
パソコンでは調整できません。私にとってシャッター速度の調整範囲が広いと言うのは
とっても魅力的だったんですよ。(笑)


カシオのEX-Z850
見た目は今時の普通のデジカメってとこです。



ちょっと前のデジカメと比べると液晶画面が
とっても大きいのねん。
バッテリーの持ちがよくて440枚撮影できるとか。
最近のカメラにはない光学ファインダーが
付いているのもウレシイところ。液晶をオフに
してもファインダーを覗いて撮影できます。



上に出てきた写真撮影用語のうち、ここで説明できるものをいくつか
書いていきます。まずはシャッター速度について。
シャッター速度の違いをわかりやすくしてみました。
この写真はシャッター速度1/2(2分の1)秒
こちらはシャッター速度2秒。

 夜景は人間が眼で見るととてもキレイですがカメラにとっては大変暗く、上の写真のような大都会の
交差点でも最低でも1/8(8分の1秒)くらいはシャッターを開いていないとキレイな写真にはなりません。
三脚を使わずに手でカメラを持って、手ぶれを起こさずに撮影できる限界はだいたい1/60くらいなので
それよりも遅いシャッター速度の場合は三脚を使うか、建物の壁にカメラをひっつけるとか何かモノの
上に置くとかしてカメラを固定する必要があります。
上の2枚の写真は歩道橋の手すりの上にカメラを置いて撮影しました。

一般的なコンパクトデジタルカメラはシャッター速度が最も遅いものでも1/2秒から2秒くらいのモノが
普通ですが、カシオのこのデジカメは最長60秒までシャッターを開けっ放しにできます。



1.ホワイトバランス
 光にもいろんな色がありますが、人間の眼には白っぽく見える光でも実際は純粋に真っ白な光と
言うわけではありません。太陽光でも晴れの日と曇りの日では違って見えますし、蛍光灯と白熱電球
でも違う光です。さらに詳しく言うと蛍光灯には「昼白色」と「昼光色」の2種類があり、これは人間の
目でも色の違いがわかります。色温度と言うのがあって、人間の眼とカメラの目では色温度の
感じ方が違うため、実際に目で見た光景の通りに写真では表現することが難しいのです。

 デジタルカメラで写真を撮る場合は今時のデジカメですと大抵はオートホワイトバランスの設定に
なっていて、曇りでも晴れでも蛍光灯でも白熱電球でもなるべく目で見た時に近づけるように
プログラムされているのですが、それでも人間の目で見たとおりにはなかなかなりません。基本的に
昼間に太陽光のもとで見た光景のようにカメラでは補正するプログラムになっているので、赤い夕日を
キレイに撮ろうとしても、オートホワイトバランスだと白っぽい太陽になってしまうと言うわけです。

コンパクトデジタルカメラでも大抵のカメラではホワイトバランスはオート以外でも自分で設定できる
ようになっているので興味がある方は使ってみてください。ちなみにフィルムカメラにはホワイト
バランスの設定はありません。


2.ISO感度
 明るさを感じ取ることができる度合いのことでこのISO値が大きくなるほど感度が高くなり、暗い
ところでも撮影しやすくなります。撮影しやすくなると言うのはシャッター速度が少しでも早くできると
言うことです。日中に屋外で撮影する場合は例え曇り空でも光量としてはまったく問題ないのですが、
室内で撮影する場合など、感度の設定を高くすることができればフラッシュを使わなくても撮影できたり
します。しかし高ければ高いほどいいと言うものでもなく、感度が高くなるデメリットとして画像がざら
ついたような粗い粒子の画像になってきます。日中の屋外ではISO値は50〜100くらいが適当かと
思われます。今時のデジカメはISO値が800くらいまではその時の撮影状況に応じて自動的に
設定してくれるようですが、その機能が優れているカメラだとISO値が3200まで可能と言うコンパクト
デジカメも出ています。


3.露出補正(EVシフト)
 下の写真を見てください。船の中で撮った写真ですが、右側の子供と窓の景色はかなり白っぽく
なっていて逆に船内の左の方は暗い感じになっています。人間の目では両方ともちょうどいい感じに
見えるようになっていますがカメラの目はなかなかそううまく見てくれません。
 画面全体の明るさの平均を取って露出を出す
方法がデジカメでは一般的ですが、写真のように
明るい部分と暗い部分が一コマにある場合は
両方とも中途半端な露出になってしまいます。
人間の目のように明るい部分と暗い部分の
両方とも同時に適正に見えるようにはカメラ
ではできないので、自分が優先してキレイに
撮りたい部分が適正露出になるように、カメラが
自動で計算した露出から意図的に明るくしたり
暗くしたりすることを露出補正といいます。



露出補正の調整の単位は0を基準にマイナス2〜
プラス2くらいの間で0.3〜0.5刻みくらいで調整
できます。
この写真はカメラの設定でプラス1.0に露出補正
した写真。上の原画像と比べると窓の景色は白っ
ぽく飛んでしまっていますが、船内と左側の子供
の露出は原画像よりは見やすくなっています。
こちらは逆にマイナス1.0に露出補正した写真。
窓の景色と右側の子供は原画像に比べて少し
でも見やすくなっていますが、船内と左側の
子供は暗くなっています。

このように例えば左側の子供を優先してキレイに
撮りたい場合はプラス側へ、窓の景色をキレイに
撮りたい場合はマイナス側へ露出補正をすると
言う感じです。



4.オートフォーカス範囲(AFエリア)
 デジタルカメラも昔ながらのカメラと同じようにピントを合わせる必要があります。しかし昔のフィルム
カメラは自分でレンズを動かしてピントを合わせていましたが、今ではデジカメもフィルムカメラも
ほとんどがオートフォーカスと言う自動ピント合わせになっています。ただこれまでにも書いてきたように
自動と言っても完璧なわけではありません。デジカメで写真を撮影しようとする場合、画面のどこに
カメラはピントを合わせているのか・・・と言うあたりを調整することもできます。

 コンパクトデジカメを買った場合、最初は大抵は撮影しようとする範囲の中央部分にピントが合うような
設定になっていると思います。しかしそれでは不都合な場合もあります。例えば遠くの方に見える山を
バックに展望台で人物の記念写真を撮る場合で、人物が画面の端の方に立っている場合。カメラは
画面の真ん中にある遠くの山へ、つまり距離は無限大にピントを合わせますが目の前にいる人物には
ピントが合いません。このピントを調整するために測定する部分を、元々の設定である画面の真ん中
から画面の複数箇所を同時に測定し、ピントがあう数が多かったエリアに合わせるとか、あるいは
画面のどこにピントを合わせるかを自分で自在に決めることができる設定もあります。

 簡単に自分の意図したところにピントを合わせる方法としてフォーカスロックと言う使い方もほとんどの
カメラで可能です。シャッターを半押しした時にカメラはピントを調整するのですが、ピントを合わせたい
部分を画面の真ん中に置いた状態でシャッターを半押しし、半押しの状態のまま本来写したい範囲に
カメラを向けてシャッターをそのまま押し込むと、最初に半押しした時にピントを合わせた状態のまま撮影
できます。この使い方はごく簡単に普通に撮影する時に手間もかからずにできる方法なので是非マスター
しましょう。(^-^)


5.測光範囲
 上のオートフォーカス範囲と同じように露出を測定する時も画面のどの部分に露出を合わせるかと
言うのを調整することができます。大抵のカメラは最初は画面全体の露出の平均を取って露出を合わせる
ような設定になっています。「マルチ測光」と言います。このマルチ測光の場合、上の船内で撮った写真の
ように普通にシャッターを押しただけでは暗い部分と明るい部分の間くらいに露出があうような設定で
撮影します。それ以外の測光方法としては「スポット測光」、これは画面の真ん中のごく狭い範囲だけを
測光する方法です。画面の中で自分が優先してキレイに撮りたい部分に画面の中心を合わせた状態で
シャッターを半押しし、そのまま本来写したい範囲にカメラを移動させてからシャッターを押し込むと、
最初に合わせたごく一部分に露出が合うように撮影できます。マルチ測光とスポット測光の間として、
中央部重点測光と言うのもあり、これは画面中央付近の結構広範囲を取って露出を測定する方法です。

これらの3つの測光方法も大抵のデジカメには付いていると思います。


6.フラッシュ光量
 以前のカメラはフラッシュの光量は一定で調整できないものが多かったのですが、最近はフラッシュの
光量を調整できるカメラもあるようです。コンパクトデジカメのフラッシュはホントに小さいもので、
フラッシュが届く範囲はだいたい3メートルくらい、遠くても5メートルくらいです。展望台でキレイな
夜景が見えているからと言ってそこでフラッシュを使って撮影しても、遙か彼方の夜景にまでフラッシュが
届くはずもなく、画像は真っ暗になってしまいます。フラッシュを使う場合はどんなに遠くても5メートルくらい
と言うことをお忘れなく。

フラッシュの光量の調整はどのような時に使うかと言うと、上の船内の写真のように日中の撮影だが暗い
部分と明るい部分の差が大きく、暗い部分は比較的近くにある場合にフラッシュをやや弱めに使って
撮影すると、使わない場合に比べて多少は明暗のバランスがよくなります。正直言いまして、今の私の
知識ではフラッシュ光量を上手に使いこなすウデはありません。(;^_^A アセアセ

フラッシュを使った写真の一例↓
フラッシュをオートにしている場合はカメラが
明るさを判断して、暗いところでは自動的に
フラッシュが発光します。そしてフラッシュが発光
する場合は大抵の場合シャッター速度が1/60に
なるように設定されています。
しかしそれでは先述の通り遠くても5メートルくらい
先までしかキレイに移りません。

この写真はシャッター速度をマニュアル設定にし、
1/10秒くらいにして、フラッシュを強制発光にして
撮影しました。フラッシュが光ることによって近くに
いる人物(私です(;^_^A アセアセ)も写せて、
シャッター速度を遅くすることにより、遠くの鳥居も
写すことができます。
ただしシャッター速度が遅いため、手ぶれの可能性
が大きくなるのでそこに注意。


ここまではカメラで設定できる項目についていろいろ述べましたが、次は
パソコンで画像修正をする方法を簡単に説明します。


これは14年前にフィルムカメラで撮った写真。
だいぶ色あせていますね。

フィルムスキャナーを使ってネガからパソコンに
取り込んだものなので普通の写真よりもわずか
に横長です。フィルム写真の場合、現像・プリント
して出来てくる写真よりもネガの方が横長です。
カメラ屋さんでプリントする時に、ネガの左右の
一部が切り取られてプリントされています。
だからフィルム写真でできあがった写真を見て
左右の端の方に写したつもりのモノが切れていた
場合、カメラ屋さんに頼んで
「めいいっぱい右の方をプリントしてください」
と頼めばわずかですが、ネガには画像が残って
いる場合もあります。



私はパソコンでの画像加工ソフトとして、Adobeの
Photshop Elements 2.0 と言うのを使っています。
そのソフトで縦:横の比を3:4にして切り取ると
このようになります。上の画像に比べると左右の
端の方が切れていますよね。
フィルム写真をプリントした場合、現像所でもこれと
同じような感じで左右が切れて写真ができて
くると言うわけです。



上の画像から色修正でグリーンだけを弱く
するとこんな感じ。これだけでもだいぶ退色が
復元された感じがしますね。



続いてレベル補正でレベルをプラス側に調整
すると少し明るくこのようになります。
(逆にマイナスにすると暗くなります)



上の写真から色相を調整するとこんな感じに。
赤みが少し減り、青みがやや強くなりました。



上の写真ではちょっと手ブレしているような
感じですが、「シャープ」と言うコマンドを使って
シャープ化すると、ぼけていた写真も多少は
くっきりしてみえます。
ただしやりすぎるとザラザラになります。



コントラスト調整でコントラストを強めにすると
こんな感じに。
コントラスト調整は白いところはより白く、黒いところ
はより黒くと言う感じで色の強弱をはっきりさせます。



もう一度レベル補正で少し明るくすると
こんな感じ。
一番最初の写真と比べるとだいぶキレイに
なったでしょ。(^-^)

当HPにアップされている画像のほとんどは
上記の行程を経てアップしています。


次はトリミングを言う技を。
左写真、鳥居が画像の中心から少しずれていますね。その鳥居を画像の中心に持ってきて表示したい場合、
あるいは画像の一部分を拡大して表示したい場合など、画像の赤枠内を切り取って左写真から右写真
のように修整することをトリミングと言います。


 新しいデジカメの説明と言うよりも、写真撮影講座って感じになってしまいました。(笑)
小学生の頃からカメラを持ってよく写真を撮っていたもので、今でも写真が好きなんです。
今時のデジカメってほんとコンパクトなもんですから今では毎日携帯してます。(^-^)
これからもどんどん写真をアップしていきたいと思うのでよろしくお願いします。


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